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梓「神様など信じない」

1VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 15:38:01.77 ID:a93pgVVM0
この物語に起因するものが何であったかは未だに理解不能である
勘違いしてもらっては困るのだが
私は自身が『世界で一番不幸』だとかそんな風に思うほど傲慢ではない

どれほど荒野を彷徨いマジックポイントを極めた占い師でも
どれほど多品種多量な物を目にしてきた鑑定士でも

字画も
生年月日も
手相も

どれをとってもみな操り人形の様に口をそろえて発する言葉は
「十人並み」
である

私の運勢は図にすると定規とペンでなす直線のみが正答である
そして事実と現実だけが後に残ることになる

しかしひとつだけこの物語ではっきりと私は言えるようになった

私はさほど神様など信じないのである





3VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 15:50:27.06 ID:a93pgVVM0
我が母校KO大学と唯先輩達が通うN女子大は
駅にして東西に5駅

所要時間にすれば40分弱の一本道である

KO大学にては勉学に励み
N女子大学にてはサークルに属し撥弦楽器への道に邁進する

こんなルーティンの私の日常を雪舟が水彩画で彩っている


5VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 16:03:50.72 ID:a93pgVVM0
大学の講義を終えると一目散に駅に行き西に三駅25分
そこから自慢の赤兎馬「あずさ2号」にまたがり、一度家で準備して西に二駅45分

全行程一時間の小旅行

これを一定タームで繰り返すのが私の業務である


8VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 16:13:19.28 ID:a93pgVVM0
駐輪場に自転車を止め
今日もN女子大学の門を「堂々とした態度」という光学迷彩を身に纏い潜り抜ける

N女子大は門に警備員も在中しているが
この光学迷彩のおかげで難易度はベリーイージー
常に私は警備員の死角にいるのである

ああ光学迷彩
なんて便利な代物であろうか
これさえあれば何でも可能であると思えてくる

あんなところやこんなところそんなところ
たとえそれが唯先輩の部屋で
そのまたベッドの向こう側であっても…ゴクリ


憂「梓ちゃん?何独り言を言ってるのかな?」


9VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 16:24:13.90 ID:a93pgVVM0
梓「ひ」
 「う、憂!」

憂「ん?どうしたの、梓ちゃん?」

梓「い、いつから、私の後ろに?」

憂「うん、ついさっきからかな?」


12VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 16:31:43.25 ID:a93pgVVM0
この人は平沢憂
私の高校時代の同級生
今は唯先輩と同じN女子大学に通い
隣のアパートに住んでいる
勉学も運動も優秀で容姿端麗
料理の腕もいちりゅ

憂「梓ちゃん、さっきから何、独り言ばっかり言ってるのかな?」

梓「いえ、なんでもないです、すみません」


14VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 16:38:56.31 ID:a93pgVVM0
憂「梓ちゃんはこれからおねえちゃんのところに行くんだよね」

梓「う、うん」

憂「私も今からおねえちゃんの所に行くんだ!」
 「一緒にいこっか」

梓「う、うん、そうだね」


15VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 16:45:46.19 ID:a93pgVVM0
スタスタ
 カツカツ
スタスタ
 カツカツ

梓「あの、う、憂?」

憂「何かな?」

梓「何で私のピッタリ真後ろを歩くのかな?」

憂「え、ここ狭いし、一列にならないと人通りの邪魔にならない?」

梓「そ、そうだよね」


16VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 16:53:44.36 ID:a93pgVVM0
憂「そういえば今ふと思い出したんだけど」
 「昨日のスポーツニュースで言ってたんだけどさ」
 
 「F1ドライバーは前のマシンにピッタリとくっついて」
 「時速300Kmで走行中にプレッシャーを掛け続ける事によって」
 「相手の選手がミスするのを待つこともあるんだって」

 「場合によっては、その重圧に耐え切れずに」
 「相手の選手がクラッシュしちゃう事もあるらしいよ」

梓「」


18VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 17:01:25.51 ID:a93pgVVM0
梓「そうなんだ、F1ドライバーはすごいねー」

憂「そうだねー」

こんなことを言って歩を前に進める

この気持ちはきっと私の誤解である…はず


言わずもがな足元に細心の注意は怠らない


19VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 17:12:13.05 ID:a93pgVVM0
目指すのはN女子大学の空き教室206である

私達は非公認サークルの形をとり
N女子大学で軽音楽を奏でる活動をしている
そのため普段はティーセットを片手に空き教室に利用届けを出しては流れる流浪の民である

大学の公認を得られれば大学から活動資金の援助が出ると世間一般ではいわれているが
後ろ楯のおかげで私達のほうが資金面が充実しているのは無論言うまでもない

練習は某系列のスタジオの空き時間を借りて行っている
しかし貴重な貴重な空き時間があるにも関わらず
空き教室や食堂で一日を終えることもある

そして私達がいつも都合よくスタジオに入る時間が
本当に空き時間であるのかは未だ定かではないのも事実である


20VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 17:21:20.96 ID:a93pgVVM0
ところで世間話とは不思議なもので
ここで憂が何故ふと昨日のニュース何を思いだし
ふと何故そのニュースを突然言い出したのか
私としても理解が出来ない

私とて人の子である

他人の心を読み解くことが出来るのは
山におわす仙人だけで十分である


そして私は毛頭理解するつもりもない


21VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 17:27:58.24 ID:a93pgVVM0
そうそう考えているうちにメールで指定された空き教室206に到着した
ここのドアを開けば誰かしらいるはずである

前回指定された教室の扉をいきおいよく開けたときは
怪訝な顔をしたフランス語の講師と多数の学問に精進する若者がいた

後ろからする「あっはっはっ!」と言う雑音をキャンセリングしつつ
うむ関心関心、この国の未来は明るいであろうと心得一礼し
実に繊細に扉を閉めたのは記憶に新しい

それ以来教室の指定は律先輩以外専属になり
私の携帯の電話帳は『律先輩』から『狢』にきちんと変更されている

今から入る206教室には
澪先輩とムギ先輩は真面目の模範であるからいないかもしれないにしても
唯先輩か狢位は居るであろう


26VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 17:40:20.51 ID:a93pgVVM0
梓「こんにちはー」

そういって206教室に入るとなにやら話し声がする
最近渡された新曲の話をしているらしい
そういえばライブまでちょっとである

憂「こんにち…」

声のしていた方向に目を向ける

何だ珍しくきちんと5人全員揃っているではないか


27VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 17:43:56.11 ID:a93pgVVM0
律先輩は相変わらず行儀悪く机に座っているし
澪先輩はその隣に立っている
ムギ先輩はそのうしろでお茶とお菓子を机に広げている

教室で食べてていいのだろうか?

そして唯先輩は相変わらず私に抱きついている


30VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 17:49:32.57 ID:a93pgVVM0
ん、なにやら違和感が

何かおかしかったであろうか
もう一度よく見て状況を整理してみなくてはならない

律先輩は相変わらず行儀悪く机に座っているし
澪先輩はその隣に立っている
ムギ先輩はそのうしろでお茶とお菓子を机に広げている

教室で食べてていいのだろうか?

そして唯先輩は相変わらず私に抱きついている



私に?


31VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 17:51:59.31 ID:a93pgVVM0
……


うわうわうわうわ!!
ちょちょちょ、ちょっと待って!!

幼きころから数々の修羅場に目を逸らしては平静を保ち
つい最近まで狢に化かされ続けた私であっても動揺を隠せない

「わわ、わたわたわた、私が、も、もももう、もう一人、いる?」


39VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 19:47:49.12 ID:a93pgVVM0
私の発声が先か後か

ガタン!
と音がして

放課後ティータイムは二人の中野梓を中央に残し
脱兎のごとく四方に散り散りに散開した

まるで磁石の異なる極を近づけたかのようだ

もう一人の私は坊主に餌をねだる鯉のように口をパクパクさせている


40VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 19:54:48.68 ID:a93pgVVM0
ここからは便宜上
私を私という一人称として
もう一人の彼女を梓とする

決して私が中野梓ではないわけではない
この手記を読むであろう方々への
心からの私の
あふれんばかりの親切心からの便宜上の計らいである

これで

ふむふむ、この作品は二人の梓の主点を入れ替え終盤の場面を迎える
いわば叙述トリック?であろう

など先読みしがちな読者に余計なご足労をかけずにすむからである

というか、そんな技術と豊かな想像力は筆者である私にはまずない


41VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 20:02:25.42 ID:a93pgVVM0
私「ゆ、ゆ、唯先輩」ガクガク

唯「ふぇ?」

唯「な、な、なにかな?あ、あずにゃ、……あ、あずさちゃん」

私「きょ、今日は、あ『あずにゃん分』補給しなくて大丈夫でしょうか?」

唯「う、うん、ちょ、ちょっと、今日はおなかの調子が悪くて…」

さっきまでいた机に、脂っこいお菓子が大量に広がってるけど?


51VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 21:08:59.58 ID:a93pgVVM0
私「り、律先輩、澪先輩」

澪「」

律「なな、何だ?…梓?どうした?」

澪「」

私「ら、ライブの曲順、き、決めませんか?」

律「い、いや、今、決めるのは、やめ、よう」
 「ほらここ、スパイとかいるかも知れないし」

澪「」

スパイが求める何の重要事項を私達は握っているのであろうか


52VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 21:13:02.51 ID:a93pgVVM0


私「むむ、ムギ先輩」

紬「ど、どうしたの、梓ちゃん?」

私「こ、この状況って…」

紬「私は、梓×梓でも大丈夫だと思うわよ」ビシッ

私は何かを耳にしたであろうか
そういえば外からは鳥のさえずりが聞こえてくる


53VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 21:16:59.79 ID:a93pgVVM0
憂「あ、梓ちゃん、よかったね」
 「生き別れた双子の姉妹と再会できて」

教室206に入ったときから入口でオブジェと化していた憂が言った

妹か
なるほどこれなら納得がいく
双子であれば姿形が同じでも違和感がないからだ

これで
梓「会いたかったよお姉さん」

とでも言ってもらえれば
唯先輩仕込のハグで応じてあげよう

これで実に理論的に今の状況を結論付けられる

彼女には罪はない
後は両親への感情論だけである

さすがは親友の憂
さっきまで教室のモニュメントであったとしても
冷静な判断ありがとう


54VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 21:18:56.11 ID:a93pgVVM0
梓「わ、私に妹はいません!」

びく

何だ突然驚くではないか、と言うより喋るのか

はは、そのうえ100%自信満々で否定されてしまったよ

というより、無意識中に自身が姉であり
私が妹であるというポジションを…


55VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 21:25:35.74 ID:a93pgVVM0
一体全体摩訶不思議である

では
目の前に居る
大体身長150cm
小柄な体格でやや青みがかった黒髪のロングツインテール
赤みがかった茶色のぱっちりとした瞳
さっきまで飢えた鯉のごとく口をパクパクしていたこの人物は何者であろうか

ふむ、どう見ても中野梓である


57VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 21:31:08.40 ID:a93pgVVM0
この人物が中野梓だとしたら私は中野梓ではないのだろうか

急に不安に駆られ
バックから手鏡を取り出す

これで写っていた人物が
自称『中野梓』の
汁とその食欲をそそる香りを無料に周囲に提供する心優しい巨漢の男であったらどうしたらよいであろうか

きゃぴきゃぴした女子大生の集まりに
急に「こんにちはー」とか言ってこんな男が我が物顔で入ってくれば
この先輩達が四方に散り散りになった状況にも合点がいくのだが

ただひとつ問題がある

ただ私一人が合点がいかないのだ


59VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 21:37:20.01 ID:a93pgVVM0
思い切って鏡をのぞいてみる
そこには

大体身長150cm
小柄な体格でやや青みがかった黒髪のロングツインテール
赤みがかった茶色のぱっちりとした瞳が特徴の
中野梓がいた

ふむ、これからの事は別にしても良かった
否、良くないのか?


60VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 21:40:13.97 ID:a93pgVVM0
しかしこれで
手鏡に向かって

てくまくまやこんてくまくまやこん
大体身長150cm
小柄な体格でやや青みがかった黒髪のロングツインテール
赤みがかった茶色のぱっちりとした瞳がかわいい
中野梓となーれ!!

となどと黒魔術を唱える必要がなくなった

汁とその食欲をそそる香りを無料に周囲に提供する心優しい巨漢の男が
手鏡片手に黒魔術を叫ぶ

実に想像を絶する光景であり
見たものはたちまち呪われ75日間のこの夢を見て魘されるであろう

ん、夢?


61VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 21:42:47.22 ID:a93pgVVM0
ここでとりあえずベタだがやってみるとしよう スタスタ

律「ん、な、何だよ、梓」タジ

ぎゅむ

律「!!!!」
 「いってええええええ!」

やはりベタは王道である


62VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 21:48:07.28 ID:a93pgVVM0
ゴン!

うむ、今は現実らしい


夢か

げんこつを受けた頭をさすりながら
その衝撃であろうか
私は昨日から今日にかけて見た夢を思い出した

心の押入れにしまったはずの夢が衝撃であふれてしまったらしい


63VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 21:49:31.11 ID:a93pgVVM0
その夢は私が神社を歩いていたところから始まる
場所は唯先輩と私のアパートの間にある


『古河原神社』

であろうと思われる

現実の閑散とした古河原神社と違って
夢の神社は新築のようであった


64VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 21:54:30.74 ID:a93pgVVM0
私はその神社を一人で境内に向かって歩いていた
そこで後ろから声をかけられた

「あーずにゃん!」

反射的に振り向く


66VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 22:00:34.76 ID:a93pgVVM0
そこに居たのは唯先輩…
ではなく年のころ50くらいのふんどし一丁のおっさんである
いかにも胡散臭いニヤついたおっさんである
野太い声のおっさんが急に「あーずにゃん」なんていってきら
さすがの私でも振り向くよ

夢というのは不思議なものである

現実で女子大生がこんなおっさんに出会えば
きっと大声を上げてシマウマのごとく逃げ出すであろう

しかしなぜか私はこのおっさんと対峙した

もう一度言う
夢というのは真に不思議なものである


67VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 22:08:27.41 ID:a93pgVVM0
?「ふむ、おぬし、なかなか、ムニャムニャ」

梓「?」

?「自己紹介が遅れていたな、私は『古河原俊之助』。ここ古河原神社の安産の神である、ムニャムニャ」

梓「(電波野郎だよね? 神…様ではないだろう)」


68VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 22:14:54.14 ID:a93pgVVM0
神「私の処へ祈りに来るのはみな安産ばかりでねえ、ムニャムニャ」

梓「はあ…」

神「まあそれが私の専門だからねえ、ムニャムニャ」

梓「はあ…(ムニャムニャうるさいな)」


70VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 22:31:04.28 ID:a93pgVVM0
神「まあ、産婦人科が減少しているいま、私もまた少し忙しいのだムニャムニャ」

梓「はあ…」

神「しかし、おぬし、最近、全く別のことを私に祈ったろう?」ニヤニヤ
 「それが結構新鮮でねえムニャムニャ」
 「それに神社でのお参りの手順もわきまえておるムニャムニャ」

梓「そうですか」

神「そこで私も一肌脱ぐことにしようと思ってねムニャムニャ」

梓「結構です、間違ってもこれ以上は脱がないでくださいというより脱いだら警察呼ぶ」


71VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 22:32:48.75 ID:a93pgVVM0
神「まあまあ」
 「それにしても、自分のエゴ丸出しの願いににわざわざ500円も投じるとは」
 「お主、なかなか見所がある」ニヤニヤ

梓「(ニヤニヤすんなよ)」
 「あれは10円玉と、500円玉をとりちが」

神「まあまあ、謙遜せずともムニャムニャ」

梓「それにもしそうだったとしても」
 「私がお参りしたのは結構前ですよ、それを何で今頃(腹立ってきたな)」

神「天界も最近はきびしくなっていてねえムニャムニャ」
 「コンプライアンスや情報開示、本人照合等の事務手続きが大変でのうムニャムニャ」

梓「はあ?」


73VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 22:35:56.20 ID:a93pgVVM0
神「まあ、決裁もおりたことだし、私も後は実行するだけだよムニャムニャ」
 「というより予算を確保した以上実行せねば、それはそれで後々面倒なことでねムニャムニャ」 

梓「…」

神「まあ実は、私の暇つぶしなんだが、ムニャムニャ」
 「期待しててくれたまえ」


ゴン


74VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 22:39:17.85 ID:a93pgVVM0
私はここで目を覚ました
ベッドから転落したらしい

諸君勘違いしてもらっては困る
私の部屋のベッドである
決して唯先輩の部屋のベッドではない

それにしてもなんと言う夢であろうか
500円玉を賽銭に投じてしまった事がトラウマになっているのだろうか
私はこの夢を記憶の底に封印することにした

女子大生が神社で50くらいのふんどし一丁のおっさんと会合する夢など
欲求不満の親父趣味とのレッテルが貼られるのが関の山である
私はそれに耐えうる頑丈な心を持ち備えてはいないし

何より若者の夢は壮大である必要がある


80VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 23:48:11.82 ID:a93pgVVM0
うん、あれは夢だな

私はまたこの夢を心の押入れの一番奥にしまった

特に防虫剤は入れなかった
むしろ戸棚を開放いていた分、すぐに出てきてしまったのであろう


81VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 23:58:13.03 ID:a93pgVVM0
さてさて話を戻す

ではこの二人目の『中野梓』はなんであろうか スタスタ

梓「ひ」

触って確かめてみることとしよう ぺたぺた

梓「むぐ」

うむ、ほっぺたを触ってみると実にぷにぷにしている///
では他の処はどうだろう ぺたぺた

梓「きゃ」


82VIPがお送りします[]:2010/10/31(日) 23:59:31.68 ID:a93pgVVM0
私「(そうだ!)」

ここで私は閃いた
こんな場面前にもあったではないか
あの時はそう高校1年生学園祭の日
憂が唯先輩に変装していた日のことである

私「(あのときのさわこ先生は、確か…)」

そう、バストサイズまでは誤魔化せまい
ってことでちょっと調べさせていただきますね ジュル

やってやるです!


紬「あらあらあらあらあら」


83VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 00:01:02.25 ID:FFvKMlg00
梓「って、何するんですか!」パシーン

私「ぐは、」


ベッドから落ちるわ
げんこつ食らうわ
はたかれるわ

本日は厄日である


84VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 00:08:59.80 ID:FFvKMlg00
澪「ドッペルゲンガー…」


律「な、なあ、唯そういえば今日の3限だけど」

唯「あ、ああ、ごめーん、りっちゃん」
 「今日私寝坊して3限出てないんだよ」
 「代わりに、時間が空いてたムギちゃんが出てくれたんだよ」

紬「そうそう、楽しかったわ『社会学』の講義」

律「っておい」ツッコミ

唯「あははー」


澪「…」


86VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 00:10:14.18 ID:FFvKMlg00
澪「こ、これって、ドッペルゲンガーってやつじゃないかな!」


シーン


唯律紬憂梓私(…)


87VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 00:17:45.25 ID:FFvKMlg00
澪「あ、あれ、何だよ、この空気」

それはそうであろう
今はみんなしてこのいかにもオカルティックな状況に
どうにかこうにか理論をこねくり回し
どうにかこうにか思考という武器で妥協点を強引になすりつけようとしている所である

それを『ドッペルゲンガー』なんていう
いかにもオカルト的な結論なんて安直すぎるではないか

その上ドッペルゲンガーに遭遇したものの末路は基本あれだし

それにしてもこの人のこの鈍感力
この人は将来この国を背負うべき大物になる資質を備えているのであろうか
いや、そんなはずはない


88VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 00:20:17.42 ID:FFvKMlg00
唯「うんうん、そうだよね」

律「そ、そうだよな、ドッペルゲンガーだよな」

あ、さっそく諦めたな

憂「…そ、そうだね、まさにドッペルゲンガーだね、おねえちゃん」

ちょっと待て


89VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 00:25:19.50 ID:FFvKMlg00
私「ちょ、ちょっと待ってください!」

梓「そ、そうですよ!」

お、乗ってきた、流石、私

私「そもそもドッペルゲンガーって言うのはおかしいです、なぜなら…」

ここまで言って話が途切れた
そう、言い出したはいいものの、そもそも私自身ドッペルゲンガーについての知識があまりないのだ

というより、詳しい人のほうが稀である

私梓「とりあえず、パソコン室で調べましょう!」

お、ハモった、流石、私


90VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 00:27:39.56 ID:FFvKMlg00
唯「そうだねー、じゃあさっそくパソコン教室に行こうよ」

さっそくって…
この一声をきっかけに、みんな教室を移動する準備を始めた
とりあえず、この教室からの戦略的撤退である、後ろへ向かっての突撃である

そのとき

律「ちょーーーーーーーーと待ったーーーーーーーー!」


91VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 00:28:53.74 ID:FFvKMlg00
律「おい、梓B!」ビシッ

私はもう一人の私を見た
なぜなら、私は見紛う事なき本物だからである

律「いや、お前だよお前」


93VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 00:30:59.72 ID:FFvKMlg00
律「梓B、髪の毛ほどいてくれ」

私「へ?」

律「おまえら瓜二つだろ」
 「区別するために後から来たほうが梓Bってことで」
 「とりあえず、髪ほどいてくれ」

 「それに、同じ顔の同じ髪型の同じ格好のやつが二人一緒にいると違和感が強いだろ」

一理、ある
同じ顔で同じ格好は、芸能人の一部の方々で世間の皆さんはおなかいっぱいである
それにここで下手に反論するのは良くない
下手に動けば『偽者』のレッテルを貼られかねない

うむ

私「しょうがないですね」パサ


94VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 00:33:17.21 ID:FFvKMlg00
唯「うん、あずにゃん髪をおろすとやっぱり澪ちゃんにそっくりだね」

憂「そうだね」

澪「そ、そうかな」

律「これじゃ、澪Bだな」

私「(おいおい)」

紬「澪×澪はなしね…」ブツブツ

私「おい」


95VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 00:34:40.38 ID:FFvKMlg00
紬「じゃあこうしましょう」シュルシュル
 「はい、完成」

ムギ先輩が私の髪を結った
うむ、ポニーテールである

律「うん、これで行こう」

澪「そうだな」

憂「あずさちゃん、ポニーテールも似合うよね」

唯「かわいいって言うか、格好良いよ!」

私「そ、そうですか」///

これ梓Aよ、髪を解こうとするでない


97VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 00:35:50.89 ID:FFvKMlg00

一同、パソコン室にて

律「さて、じゃあ」カタカタ

律「えーと」
 「『澪「律は私のことが好きだよな?」律「え、私は別に」と』」カタカタ!
 「ふう」

紬「あらあらあらあら」

澪「おい」


98VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 00:37:37.91 ID:FFvKMlg00
TAKE2
律「えーと」頭ナデナデ
 
 「『ドッペルゲンガー』っと」カタカタ

澪「ったく」
 
律「……ん、これだけ読んでもよくわからないな」
 「ちょっと、何枚かコピーするから、澪取ってきてくれないか?」カタカタ

澪「わかった」タッタッタ


99VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 00:38:37.22 ID:FFvKMlg00
ウィィィーン
澪「お、来た来た」
 「えっと、これでいいのかな?」

『幽霊図』 画:円山応挙

澪「」


100VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 00:39:48.14 ID:FFvKMlg00
TAKE3
ウィィィーン

紬「あ、きたきた」

紬「(それにしても、澪ちゃんとりっちゃんは仲がいいわね)」
 「(律×澪はまさに不動ね!)」キュピーン!

律「なあ澪、この教室空調効きすぎてないか?」頭ナデナデ

澪「そうだな」ブルブル

唯「そうかなぁ?」


101VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 00:44:41.12 ID:FFvKMlg00

再び教室206にて

律「うん、何個かそれらしいものは読んでは見たものの」

澪「結局、あいまいでわからないな」

何個か読んでみてわかった気になったことは
①ドッペルゲンガー(自己像幻視)とは和訳では「二重の歩く者」
「生きている人間の霊的な生き写し」を意味すること
②自分だけ見る場合もあるが、第三者が見る場合もあること
③脳や精神等の異常である可能性があること
④著名人が遭遇することが多いということ
⑤最終的に死ぬ場合もあるが、死なない場合もあること
等くらいである

ただし、この情報が正しいかもわからないのである


102VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 00:46:21.98 ID:FFvKMlg00
ふむ、まずここにいる全員が見ていると言うことで③は省ける
さすがにここにいるみんな精神がおかしくはないよね?

④も省ける
私は有名人ではない

って言うか、流石は『オカルト』
定義があいまいすぎて
全部当てはまらなそうで当てはまるじゃないか、ちくしょー


103VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 00:50:05.25 ID:FFvKMlg00
紬「うん、これじゃちょっとわからないわね」

唯「そうだねえ」

澪「そうだな……」

結局、ドッペルゲンガーかどうかは分からずじまいである

シーン

く、空気が重い
ここはまた猫耳つけて「にゃん」とでも言って場を和ませようか、しかしそれでは

憂「そ、そうだ、ギターを弾いてみたらどうでしょう」

一同「え?」


104VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 00:53:07.98 ID:FFvKMlg00
憂「ま、前に、学園祭の前におねえちゃんが風邪引いて」
 「私がおねえちゃんの振りをしたとき」
 「そのときにギターを弾いて、結局皆さんにばれちゃったじゃないですか」


律澪紬「そ、それだ!」

唯「さすがわたしの妹だねー」ナデナデ

憂「えへへ」

ごめんなさい、私には胸の大きさのことしか記憶にございませんでした


105VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 00:56:51.64 ID:FFvKMlg00
紬「それじゃ、さっそく」

ぷるるるる

紬「あの、琴吹紬です、スタジオって今日空いてますか?」
 「そうですか」

紬「スタジオは大丈夫らしいわ」
 「でも一番大きいところしか空いてないみたい」

いつもこんな調子だが
いつも思う
本当に空いていたのか?


106VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 00:57:59.17 ID:FFvKMlg00

駅前のスタジオ内にて

えっと、チューニングして

シールドをアンプにつないでっと
む、もうつないである

律「お、梓Aもう準備できたのか」
 「じゃあ何か弾いてみてくれよ」

梓「え、何かですか?」

律「(これで弾けなかったら決定的なんだけどな…)」
 「(まあ弾けるんだろうけど、念のために、ね)」

梓「じゃ、じゃあ、適当に」


107VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 00:59:22.68 ID:FFvKMlg00
♪♪~♪
律「(やっぱり弾けるな、それにうまい)」

澪「うん、やっぱりうまいな」

紬「そうね」

唯「やっぱりあずにゃんは上手だね」

憂「流れるような演奏だね」

それにしても、うまいへたは別として私の演奏そっくりである


♪~♪♪
梓「あ」
♪  ♪♪
私「!」


108VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 01:01:13.06 ID:FFvKMlg00
私「………ぷ」
 「……ぷぶっ」
 「…ぶぶぶ!」

 「ぶ、あーはっはっは!」

逃さなかった
私は逃さなかった

この梓Aとやらはミスったのである
私『中野梓』であれば絶対にミスらないフレーズを


109VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 01:02:19.74 ID:FFvKMlg00
律「お、おい梓B、どうした」

私「くくく、ミスったんですよ」
 「この人ミスったんですよ、ぶふっ!」
 「っていうか、こんな初歩的なミスするなんて」

 「考えなくてもこっちが偽者確定じゃないですか」

 「ぶ、ぶふ、ぶ、あーはっは、ひ、ひぃひぃ…」


唯律澪紬憂「……」


あ、あれ?
何だこの空気


110VIPがお送りします[sage]:2010/11/01(月) 01:03:17.10 ID:qRrnOANe0
やっぱりあずにゃんはゲスいな!


111VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 01:03:41.49 ID:FFvKMlg00
律「あ、あのさ、梓、こんな状況で気が動転してるのも分かるけど」
 「人の失敗をそんな風に笑うのは良くないと思うぞ」

私「へ?」

律「それにな、人に絶対なんてことはないし」
 「そもそもさ……」クドクド

ぐ、得々と説得されてしまった


唯「こんなのあずにゃんじゃない…」

ガーン


117VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 01:54:45.31 ID:FFvKMlg00
律「それだけじゃなくてな……」クドクド

私「(唯先輩……)」ガーン


紬「ねえ、こっちの梓ちゃんも反省してるみたいだし」ヒソヒソ

憂「そうですね」ヒソヒソ

澪「うん」ヒソヒソ


澪「よし、みんな、そろそろ合わせるぞ!」


119VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 01:55:57.40 ID:FFvKMlg00
憂「そ、そうですね」

紬「じゃあ合わせましょうか!」

唯「あれ、今日は何の練習するんだっけ?」

澪「おいおい、何しにここにきたんだよ」
 「みんなで合わせてみて、どっちが本物か確かめるんだろ」

唯「そうだった!」

律「うん、じゃあやるか」

普段から普通に練習にも来ましょうね


120VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 01:57:15.75 ID:FFvKMlg00
澪「じゃあ、準備が出来てる、えーと梓Aからでいっか」
 「で、えーと」

紬「3曲くらい合わせてみればいいんじゃないかしら」

澪「うん、そうだな。とりあえず、梓Bと憂ちゃんは聴いててくれ」

唯「憂ー、がんばるよ」フンス!

憂「うん、がんばってね、おねえちゃん!」

そういえば、梓Bに違和感がなくなってきている自分が怖いな

律「じゃあいくぞ、ワン、ツー」


121VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 01:58:31.62 ID:FFvKMlg00
♪~♪
それにしても、私そっくりに弾く

ああ、でもここはもっとこう弾いて
あそこはもっとああした方が良いかな?

自分と言っても
やっぱり他人が弾く曲を客観的に聴くのは勉強になる

でも、やっぱり

やっぱりあそこは私の席なんだよな

憂「ん?梓ちゃん、何か言った?」

私「うん、別に…」


122VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 01:59:45.31 ID:FFvKMlg00
澪「よし、3曲一通り終わったな」
 「じゃあ、次梓Bな」

私「あ、はい、よろしくお願いします」ペコリ

律「おいおい、なんだよ改まって」

唯「がんばろーね、あずにゃん」

律「じゃあ行くか、ワン、ツー!」

久しぶりに、私も頑張っちゃおうかな


123VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 02:03:44.36 ID:FFvKMlg00
♪♪!
律「ふぅぅー、終わったなー」

唯「つかれたねー」

澪「さすがにぶっ通しはな」

紬「ねえ、りっちゃん、りっちゃん!」

律「うん、どうした?ムギ」


紬「私、この演奏でどっちの梓ちゃんが本物か分かっちゃったかも」

唯律澪「え」

流石にムギ先輩である
そしてギターを置きながらキターとは口が裂けても言わないのが私である


124VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 02:04:52.16 ID:FFvKMlg00
律「む、ムギ、じ、実は、私もなんだ」

紬「え、りっちゃんも?」パァッ

唯「ムギちゃん、私もだよ!」

紬「唯ちゃんも!?」

澪「わ、私もだよ!」

紬「澪ちゃんまで」


125VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 02:07:09.86 ID:FFvKMlg00
澪「なんだ、みんなも」

律「さすが私達、放課後ティータイムだ!」

唯「さすがに一緒に毎日お茶してないよね」

紬「うふふ」

練習もしましょうね


126VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 02:08:38.84 ID:FFvKMlg00
唯「ねえねえ、じゃあみんなでせーので指指しっこしない?」

澪「え、でもそれじゃ…」

律「ま、いいじゃんいいじゃん」

紬「面白そうだし、いいんじゃない?」

澪「まあ、ムギもそう言うなら……」


唯「じゃあいくよ!」

ドキドキ


『せーの!!』


127VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 02:09:43.49 ID:FFvKMlg00
結果

澪・紬→梓A

唯・律→私

唯律澪紬「あれ?」


128VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 02:11:18.07 ID:FFvKMlg00
澪「……さて、今日の練習もがんばったし、そろそろ帰るか」

唯「………そ、そうだね」

律「あー疲れたー」

紬「あ、そういえば、駅前においしいお菓子屋さんが」



私「おい、待てやてめーら」


130VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 02:12:59.15 ID:FFvKMlg00
澪「それにしても、こっちの梓が本物だろ!」
 「こっちの梓Bはチョーキング全音の所が1音半くらいになってたところあるし」

紬「そう、それにミュートも少し甘かったような…」




気合入れすぎて空周りしてたのか、私


131VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 02:14:21.77 ID:FFvKMlg00
律「違う違う、梓Bはあの、なんと言うかな~」

唯「あのじゃじゃじゃじゃじゃ、じゃーんの所だよね!」

律「そうそう、そこ」
 「そのじゃじゃじゃじゃじゃ、じゃーんのタイミングがピッタリなんだよ」


私「ぐ…」
 「(なんて説得力のない)」


唯律「なんでわからないかな~?」


132VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 02:16:34.65 ID:FFvKMlg00
……
私が今立ってる場所は国境のど真ん中である
ここから左に一歩、右に一歩で
同じ人間であっても使用している語源が違う

今日も国境では
そんなお互いのコミュニケーションのため
ジェスチャーでの会話が行われている

澪「だから、言ってることがよくわからないって!」

律「だからあ」

唯「ここのジャジャーンがジャジャーーン!なんだよ!」

律「そうそう」

紬「うーん、よく分からないわ、えっと、タイミングの話よね?」

律「だからあ!」

憂「以上、現場から憂がお伝えしました」

NEWSけいおん END


136VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 02:41:44.00 ID:FFvKMlg00
律「おい、勝手に終わるな」

その後、話は至極当然に交わることなく平行線をたどったため
私達はスタジオ近くのかふえーによることになった

それにしても、理論派の人間と感覚派の人間はこうも違うものであろうか

今日、生命の神秘にひとつ触れた気がする


141VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 04:11:53.76 ID:FFvKMlg00
律「で、どうすんだ、この状況」

澪「どうすんだ、っていわれてもな…」

紬「そうねえ」

唯「ねえねえ、みてみて憂、コーラのメロンソーダ割りだよー」

律「誰かあいつを黙らせてくれ」


144VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 04:23:48.88 ID:FFvKMlg00
澪「しかし、このままってわけにもいかないだろ」

唯「そうだねえ」

律「っておまえ、さっきから話聞いてなかっただろ」

唯「えへへ」

紬「うん、じゃあとりあえず……」


146VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 04:35:23.58 ID:FFvKMlg00

ムギ先輩は今の状況に対する妥協案を提供した
それを簡単に要約すると

①よくわからない状況だから、念のために二人を離して生活させるということ
②何かの拍子で一人に戻ったときに差しさわりがないように交代交代で大学にいくこと
③先輩方と憂が二手に分かれて片方づつに付くこと

ということである


148VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 04:42:14.09 ID:FFvKMlg00
私「あの……ムギ先輩、二人を離してって言うのは具体的には?」

紬「今ここにいる私達を2手に分けて、出来れば目の届くところにおいておきたいのよね」
 「あ、みんなは大丈夫?」

律「私達は大丈夫だよな、澪」

澪「あ、ああ、そうだな」

唯「私はもちろん大丈夫だよー」

紬「そうなると、後は家だけど……」


149VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 04:55:07.24 ID:FFvKMlg00
紬「うん、一つは当然梓ちゃんの家よね」
 「大学にも通わなくちゃならないし」

 「もうひとつの家はどうしましょうか・・・」

ふむ、私の部屋と先輩方のどれか部屋を交代交代で移動するわけか

ん、ちょっと待て


169VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 20:23:16.92 ID:FFvKMlg00



ちょっと待て
ちょっと待ってって

これでは私が先輩方の部屋に行ってる間
私の部屋は先輩方とこの偽者だけになるではないか

それはまずい
それはまずいよ

机の引き出しにあれとか
ベッドの下にはこれとか
枕の下には唯先輩の…


172VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 20:35:37.68 ID:FFvKMlg00
唯「じゃあもうひとつは私の部屋でいいよ~」

紬「そう、じゃあお願いしようかしら」

律「それなら好都合だな。家も近い分楽そうだし…」
 「じゃ、次の日には私の家を提供するとして」


梓私「ちょっと待ったー!」


173VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 20:46:00.36 ID:FFvKMlg00
紬「どうしたの?梓ちゃん?」

澪「ハモってる…」

梓「どうしたもこうしたもこれは」

私「私の空いた部屋に他人が生活するって事じゃないですか!」


174VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 20:58:39.93 ID:FFvKMlg00
律「え、だって梓いるじゃん」

私梓「そのとき私はそこにいないじゃないですか!」

律「(めんどくせ)」

澪「私達だっているんだし」
 「私達を信用できないか?」

私梓「うぅ、そういうわけじゃ…」
  「(微妙に出来ない)」

唯「大丈夫だよあずにゃん!私もついてるし」

唯先輩は自分の部屋を他人に預けて私の部屋に来るつもりであろうか


175VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 21:08:25.99 ID:FFvKMlg00
憂「だ、だめだよおねえちゃん」

唯「でもでも、あずにゃんが不安がってるんだよ」

私「わ、わかりました」

梓「大丈夫ですよ、唯先輩」

私には唯先輩を犠牲にすることなどできません

律「よし、家については決まりな」

ぐ、さらっと決まってしまった


176VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 21:23:18.13 ID:FFvKMlg00
紬「で、次に、私達をどうに分けるかだけど……」

律「それじゃ、私が唯の所に行こうかな?(憂ちゃんのご飯うまいしな)」

唯「うん、いいよー」

澪「じゃあ、私がムギと組んで……」

紬「いえ、りっちゃん、澪ちゃん、それは愚作と言うものよ」ビシッ

澪「え」


177VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 21:29:26.28 ID:FFvKMlg00
律「愚作ぅう?」

紬「ええ、愚作よ」
 「何故なら」
 「私達も梓ちゃんと同じく大学には行かなくてはならない」
 「いずれか一方の梓ちゃんに付いていくと一日交代で講義に出なくてはならないことになるわ」
 「そうすれば、同じ講義を多く取っている私と澪ちゃん、そして、唯ちゃんとりっちゃんは分けるのがまず妥当」


178VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 21:40:37.68 ID:FFvKMlg00
紬「それに」

律「それに?」

紬「さっきの事があるわ」

 「中立的な憂ちゃんは別として、私と澪ちゃん、それに唯ちゃんとりっちゃんはそれぞれ別の梓ちゃんを指差した」
 「ここで私と澪ちゃん、唯ちゃんとりっちゃんが組めば、何かあったときに私達事態が対立したり、混乱する可能性が高くなる」
 「だから、少なくとも私と澪ちゃん、唯ちゃんとりっちゃんは分かれて組むべきじゃないかしら?」


180VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 21:50:19.39 ID:FFvKMlg00
紬「それに、今起こっているのは非日常的ないわば異常事態」
 「それなら、出来るだけ平静を保てるように、いつもどおりの生活の方を送った方が自然」
 「だから澪ちゃんとりっちゃん、唯ちゃんと憂ちゃんが組んだほうがいいと思うの」

律「確かに」

唯「そうかもねー」



澪「べ、別にムギは私と組みたくなかったわけじゃないよな」


181VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 21:50:54.69 ID:YlDqAicG0
つまり律澪ですね紬先生


182VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 22:02:45.36 ID:FFvKMlg00
紬「後は、私がどちらにつくかだけど」

澪「ムギは私達といっ」

紬「やっぱり、私は唯ちゃんたちの方かな?」


澪「」


184VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 22:15:00.32 ID:FFvKMlg00
律「うん、いいんじゃないかな」

唯「わーい、今日はムギちゃんがお泊りだよ」

憂「うん、じゃあ今日はお料理がんばっちゃうね」

唯「わーい」

律「(まあ、憂ちゃんは心配してないけど)」
 「(あの能天気な姉じゃ、まともな人間をもう一人おいたほうがいいだろ)」

紬「うん、じゃあ私達の組み合わせは決まりね」

澪「」


185VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 22:20:18.03 ID:FFvKMlg00
紬「(ぐふふ、これでまずは唯×梓待ちでのテンパイ)」
 「(そのうえ、唯×憂、憂×梓の三面張とは!)」

 「(神様、仏様、鷲頭様)」

 「(ぐふぐふ、わしのイーピンはどこじゃ?)」
 「(わしのイーピン、イーピン…)」ヨロヨロ

律「おい、ムギどうした、大丈夫か?」


私「それにしても、ここ冷房効きすぎてない?」ブルブル

梓 コクコク

憂「うん、ちょっと寒いよね」ブルッ

唯「そうかなあ?」


186VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 22:28:50.76 ID:FFvKMlg00
紬「(それにしても、澪ちゃんは一体何を考えているのか……)」

 「(りっちゃんと言うものがありながら、私と組みたいなんて)」
 
 「(………)」ポワーン
 
 「(澪×紬とか、やっぱりただのガチレズじゃねーか!)」
 「(まったく、これこそ誰得だっつーの)」プンプン

律「お、おい、ムギ、大丈夫か?」



澪「(私、ムギに嫌われるようなことしてないよね?)」ブツブツ


188VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 22:37:52.62 ID:FFvKMlg00
律「おい、ムギ」

紬「は、いけないいけない、で、後は二人の梓ちゃんがどう分けるかだけど」

律「全く、大丈夫かよ・・・?」

澪「何かいい手があるのか?」

紬「うん、その方法は」

律澪「その方法は」ゴクリ
 



紬「それはじゃんけんでいいんじゃない?」


ズデン!


189VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 22:48:10.85 ID:FFvKMlg00
紬「え、どうしたの?みんな?」

律「あのなあ」

澪「こんな重要なことをじゃんけんって」

紬「え」

律「えって…」


190VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 23:00:09.05 ID:FFvKMlg00
紬「だってこの梓ちゃん達は見分けがつかないでしょ?」
 「そうしたら、どちらと組んでも同じじゃないかしら?」

澪「言っていることはわかるが」

律「なんだか納得がいかない」

唯「そうかなぁ?」


191VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 23:10:47.93 ID:FFvKMlg00
唯「じゃあいくよ!」

 「じゃんけん、ぽん!」

 「あいこでしょ」

 「あいこでしょ」

 「あいこでしょ」

 「あいこでしょ」

 「あいこでしょ」


 「…………」

 「なかなか決まらないねー」ニコニコ
 「こいつらいいかげんにしろよ、チッ」ボソッ


梓私「ゆ、唯先輩……?」

唯「ん、どしたの?あずにゃん」


193VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 23:20:33.94 ID:FFvKMlg00
TAKE2

憂「ぐっとぱっ」

 「ぐっとぱっ」

 「ぱっ」

 「ぱっ」

 「ぱっ」

 「ぱっ」

 「ぱっ」ニコニコ

 
梓私「(憂の笑顔が怖い……)」


195VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 23:31:33.03 ID:FFvKMlg00
憂「ぱっ」ニコニコ

律「なあ、で、パーの梓がどっちにつくんだ?」

憂「ぱっ」ニコニコ

澪「さあ…」

憂「ぱっ」ニコニコ

紬「そういえば決めてなかったわね…」

憂「ぱっ」ニコニコ


197VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 23:41:31.56 ID:FFvKMlg00
TAKE3
律「じゃあこの100円で決めるぞ」
 「表が出たら梓Aが私達のほう、裏が出たら梓Aが唯達のほうな」
 「後々面倒くさくないようにこっちが表でこっちが裏な」

 「じゃあいくぞ!」

ピーン


199VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 23:50:42.36 ID:FFvKMlg00
クルクル
カツン!
コロコロ

ストン!

一般客 ヒョイ


律「あ、ああ……」グスン


200VIPがお送りします[]:2010/11/01(月) 23:55:33.49 ID:FFvKMlg00
紬「じゃあ、梓ちゃん、あなたたちはどちらと組みたい?」

そうと言われると迷う

は、そうか
ムギ先輩のことだから
この質問には意味があるんだ

即答すべきか

答えは否である

なぜなら私はこの集団での冷静なキャラというポジションにいるからだ

ならここでとる行動はひとつ


201VIPがお送りします[]:2010/11/02(火) 00:06:04.83 ID:FFvKMlg00
私「そうは言われましても」

と一度言っておいてから

梓「では、私はムギ先輩達と一緒に」

かかったな、偽者め

唯「じゃあこっちのあずにゃんが私たちと一緒だね」

紬「うん、決まりね」

あれ


202VIPがお送りします[sage]:2010/11/02(火) 00:08:21.50 ID:9rFYAwCO0
あれ?


204VIPがお送りします[]:2010/11/02(火) 00:25:00.00 ID:d3sSkmBN0
紬「じゃあ私達はいったん帰って、お泊りの準備してまたここにくるわね」

律「じゃあちょっとばかしまっててくれ」

澪「おい、律、待ってよ」タタタ


さくさくと話は進まなかったであるが

これからのその場しのぎの大体の流れを造れた

しかしそれにしてもさくさくと話が進まなかった


207VIPがお送りします[]:2010/11/02(火) 00:39:15.60 ID:d3sSkmBN0
唯「それにしても、このあずにゃん達は、そっくりだねえ」

憂「うん、私も見分けが付かないよ」

梓「そんなぁ」

私からみてもそっくりなんだから
言わば他人である唯先輩や憂先輩が見分けが付かないのはもっともであろう
それにしても、これは一体どういう事なのだろうか…

唯「ごめん、私ちょっとトイレ行ってくるね」トテテ


208VIPがお送りします[]:2010/11/02(火) 00:40:12.64 ID:d3sSkmBN0
憂「えと、梓ちゃん達、いくつか質問してもいいかな?」
 「ちょっと私も状況が把握しきれなくて……」

私「う、うん、別にいいけど……」
 「(私にやましいことはないはず……たぶん)」

憂「私達の大学に来たのはほぼ一緒の時間だよね?」
 「その間に二人が会うことはなかったの?」

梓「うーん」 
私「なかったかなぁ」


209VIPがお送りします[]:2010/11/02(火) 00:40:54.11 ID:d3sSkmBN0
憂「えと、梓ちゃんAは今日電車で来たんだっけ?」
 「いつもは自転車なのに」

梓「うん、5限の経済学出た後にそのまま向かったんだけど」
 「今日は電車でちょっと寝過ごしちゃったから」

憂「で梓ちゃんBの方はいつもどおり自転車で来たんだよね」

私「うん、で憂に会ったんだよね」

憂「(うん、どちらも嘘を言ってるようには見えないけど……)」

唯「おまたせー」パタパタ

憂梓私 ピクッ


212VIPがお送りします[]:2010/11/02(火) 00:52:15.68 ID:d3sSkmBN0
憂「で、その後は、梓Aちゃんは20分くらい先に教室に着いてるんだよね」
 「うーん」

私「(そうだ、ここだ!)」

 「異議あり!」ドーン!

この『中野梓』が言っていることはおかしい、矛盾しているのである
私はいつも、KO大学からの帰り道に一度家に寄って準備をしてくるのだ
何故なら、KO大学では軽音部などに所属していないから
ギターをわざわざ持って移動する理由など何もないからである
それなのに、この『中野梓』はギターを現に持っている
電車で寝過ごし、家に寄らずに直接N女子大へ向かったにも関わらずだ


213VIPがお送りします[]:2010/11/02(火) 00:53:16.10 ID:d3sSkmBN0
私「……というわけで、裁判長、この証人の発言は矛盾していますよね」

憂「裁判長?(私のこと?)」
 「うん、もしそうならそれはちょっと変かも」


梓「え、何を言ってるの?」

私「何って」


215VIPがお送りします[]:2010/11/02(火) 00:54:07.03 ID:d3sSkmBN0
梓「昨日、メンテナンスするのに大学の駅の所にある楽器屋にギターを預けたじゃない」
 「それを帰りに取り行ったんだけど」 

え、預けてないけど
てか、私、メンテナンス自分でやるけど

梓「やっぱり、ネックのねじれとなると自分じゃちょっと難しいかな」

え、むったんネックねじれてるの?
えっと

ああああああああ

確かにねじれてる


216VIPがお送りします[]:2010/11/02(火) 00:55:36.23 ID:d3sSkmBN0
憂「えっと、じゃあ二人の違いは楽器屋さんにギターを預けたか、預けてないかだよね」

梓「そういうことになるね」

むったん、ごめんね

唯「あのー、私も話に混ぜてくれないかな……」


217VIPがお送りします[]:2010/11/02(火) 01:02:19.71 ID:d3sSkmBN0
律「全く、澪は準備に時間がかかりすぎだよ」

澪「しょうがないだろ、律が早すぎるんだよ」

律「そうかぁ?」
 「っていうか、まだみんないるよな?」

ガチャ
店員「いらっしゃいませー」

律「って」

律澪「ぎょええええええ、憂ちゃんまで二人になってるーーー」


220VIPがお送りします[]:2010/11/02(火) 01:10:20.59 ID:d3sSkmBN0
唯「(は、初めてのリアクション!)」
 「流石はりっちゃーん、澪ちゃーーーん」ダキッ

律「近寄るな」

澪「ミエナイキコエナイミエナイキコエナイ…」

唯「ふぇぇぇん」


222VIPがお送りします[]:2010/11/02(火) 01:11:01.06 ID:d3sSkmBN0
律「全く…」

憂「めっ!だよ」

唯「ごめんなさい……」

カランカラン

律「お、ムギも来たみたいだな」

憂「そうですね」



澪「ミエナイキコエナイミエナイキコエナイ…」

律「おい」


223VIPがお送りします[]:2010/11/02(火) 01:12:08.92 ID:d3sSkmBN0
律「じゃ、こんな時間だし、そろそろ行くか」

澪「もうこんな時間だったんだ、えっと、私達は梓のアパートに行くんだよな」

紬「うん、じゃあ何かあったらすぐ連絡ね」

律「ああ」

唯「私達もいっこっかー」

憂「そうだね、おねえちゃん」

梓「待ってくださいよ、唯先輩」タタタ


224VIPがお送りします[]:2010/11/02(火) 01:12:55.54 ID:d3sSkmBN0
ファミレスの外にて

律「で、私達は明日この梓と一緒にKO大学に行けばいいんだっけ?」テクテク

澪「ああ」テクテク

私「そういうことになりますね」テクテク

律「じゃあ明日澪は大変だなー」テクテク

澪「へ?」


226VIPがお送りします[]:2010/11/02(火) 01:28:49.20 ID:d3sSkmBN0
澪「何で?大変なのは梓だろ?」テクテク

律「だってKO大学っていったら共学だぞ、共学!」

私「ええ…まあ」

律「共学って言ったら、欲求不満の男どもの集合体だぞ」
 「そんな中に澪みたいな小動物が足を踏み入れようものなら」

私「(何だよその偏見……)」

律「一瞬の間にとって食われてしまうであろう!」

澪「全く、なに言ってんだよ」

律「あはは」


227VIPがお送りします[]:2010/11/02(火) 01:42:47.17 ID:d3sSkmBN0
律「で、ここが梓のアパートか」

私「はい」

澪「本当に唯のアパートから近いんだな」

私「はい」

ん、何か忘れているような

あ、そうだよ
あれやこれやそれ
後、枕の上の…の片付けだよ


228VIPがお送りします[]:2010/11/02(火) 01:52:53.74 ID:d3sSkmBN0
私「ちょっと先輩達はここでまっててください」
 「ちょっと部屋を片付けてきますんで」ダッ

えと、アレをこうして
それをこうして
…についてはもう実物がなくても大きさから内容から何からすべてを把握している
だから片付けのプランは完璧である


律「梓って片付けられない人だったり?」

澪「まさか」


249VIPがお送りします[]:2010/11/02(火) 21:55:08.25 ID:d3sSkmBN0
私「はい、どうぞ」

律「おっじゃまー!」

澪「おじゃまします」


律「おい、なんだよこのシンプルな部屋は」

澪「ベッドとギターしかない……」

ふむ、どうにかなったようだ


250VIPがお送りします[]:2010/11/02(火) 22:09:27.89 ID:d3sSkmBN0
澪「で、梓、明日は学校は何時からあるんだ?」

梓「明日は1限からなので9時からですね」

澪「早いな」
 「って律、何やってんだ?」

律「へ、エロ本探しだけど」ガサゴソ

澪「お前は男子中学生か!」ゴン

部屋がこの状況でもやるのか


251VIPがお送りします[]:2010/11/02(火) 22:26:59.71 ID:d3sSkmBN0
澪「じゃあ今日はもう遅いし明日にそなえて寝るか」

私「そうですね」

律「え、もう寝るの?」
 「せっかく女子大生が3人もお泊りで集まってるんだからお話しようよー」

私「では、昔々あるところにおじいさんとおばあさんが……」

律「馬鹿にすんな」


253VIPがお送りします[]:2010/11/02(火) 22:43:44.98 ID:d3sSkmBN0
澪「じゃあ何の話が良いんだよ?」

律「んー、せっかくだから、恋バナとかぁ」

澪「恋ばなって」

私「では、律先輩からお願いします」

律「うーん」
 「特にないかな」

パチン(強制消灯)


255VIPがお送りします[]:2010/11/02(火) 22:54:05.34 ID:d3sSkmBN0
急にこんなことになってしまったが
とりあえず今日は寝ることにしよう

律「ショウヘイヘーイ!」

……
朝起きたらこれが全部夢でしたなんて展開なら良いのだが

律「ショウフクテイ、ショウヘーイ!」

………ぷっ


256VIPがお送りします[]:2010/11/02(火) 23:05:01.67 ID:d3sSkmBN0
―朝 チュンチュン

早起きは3文の得であるというが
誰が考えたのだろうか

今現在言えることは
二人分の体重を支えながら快眠をすることは人間には難しいということである

そして昨日の夜に借りて来たガキの使いのDVD罰ゲーム1~3巻を返さないといけないということである


257VIPがお送りします[]:2010/11/02(火) 23:16:32.90 ID:d3sSkmBN0
さてと
目覚ましに手を伸ばす

時間は

10時30分

どうやら早起きでもなかったらしい


258VIPがお送りします[]:2010/11/02(火) 23:26:17.67 ID:d3sSkmBN0
律「今日はもういいんじゃね?」

私「いえ、午後の講義には出ます」

私達は揃ってKO大学に向かうことにした
一瞬、いや今も心にある感情に流され学問への道を閉ざすほど
私は愚かではないのである


259VIPがお送りします[]:2010/11/02(火) 23:35:37.07 ID:d3sSkmBN0
ここから大学の講義が終わるまでの間の話は非常に恐れ多いが割愛させていただく
何故なら、私が講義を受け
その隣で律先輩がだりぃと言い
そのまた隣で澪先輩がそれ戒め

講義の合間に澪先輩がナンパ受け
律先輩が私の澪に手を出すなーと吼え

澪先輩が、り、律などと言い律先輩を見つめ
律先輩が照れて

あ、やっぱり面倒だ

とりあえずこんな感じの展開がだらだらと続く


261VIPがお送りします[]:2010/11/02(火) 23:46:55.72 ID:d3sSkmBN0
―帰り道

律「で、この後は私の家に来ればいいんだっけ」

澪「ああ、そのはず」

この間、唯先輩とムギ先輩からメールが入ったが
とりわけあちらの組もおかしな点はないらしい


262VIPがお送りします[]:2010/11/02(火) 23:56:57.60 ID:d3sSkmBN0
―律先輩のアパートにて

私「おじゃまします」ペコリ

律「まー入りたまえ」

澪「何だよそれ」

律先輩の部屋を一言で表すと
律先輩らしい
が一番しっくりくるのかもしれない


263VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 00:05:50.72 ID:d3sSkmBN0
律「んと、じゃあお茶でも」
 「あ、あれ、冷蔵庫にあまり物がないなあ」

律「って、梓、さっきから何ガサゴソやってるんだよ」

梓「はい、とりあえずエロ本探しを」

澪「おい」


265VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 00:15:34.96 ID:2W87DGIe0
さて律先輩は今出かけている
別に棚から卑猥文書が発見され逃げ出したわけではない

食料調達である

その間、澪先輩とは色々な話をした

音楽のこと、これからのこと、律先輩のことや唯先輩のこと
澪先輩とは実に無駄なく会話が進む

え、別に味気ないなんて誰も言ってないけど?


266VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 00:19:40.89 ID:2W87DGIe0
律「たっだいまー」ガチャリ

澪「お帰りー」
 「って、お前、何を買ってきてるんだよ」

律「へ、食材だけど」

澪「その左手に持っているものは何だ…」

律「へ、お酒だけど」


267VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 00:30:35.02 ID:2W87DGIe0
律「まあまあまあまあ」

澪「まあまあって、お前なあ」

律「ま、さっさと料理でもつくっちまうか」

そういうと、律先輩は料理の準備に取り掛かった


268VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 00:43:18.46 ID:2W87DGIe0
実に手際が良い

憂には劣ろうとも、料理をするときの律先輩の手際は素晴らしいものがある
料理をしながら
使ったお皿を片付けつつ
これから使うお皿を用意して

くそ、律先輩が輝いて見えるよ
うう、これがギャップがある女というものか、そうなのか


270VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 00:53:16.35 ID:2W87DGIe0
律「はい、お待ちー」

出前のような掛け声と一緒に出てきたのはムニエルである
く、しかもそれにあわせるはさっき買ってきたらしい白ワイン

なんて、素晴らしいんだちくしょー

律「おい、ブツブツ言ってないで、冷めないうちに食べろよ」


271VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 01:01:06.62 ID:2W87DGIe0
まずは一口

お、おいしい

非の付け所がない出来である

そして魚料理と相性が良い白ワインを一口

私「ぶ」


272VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 01:11:13.51 ID:2W87DGIe0
澪「お、おい、どうした?梓?」

私「ってこれ、焼酎じゃないですか!」

律「あっはっは!」

おのれ狸め、人をだましやがって

さっきの感動を返せ


273VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 01:14:00.87 ID:2AiTLAQ40
流石だなりっちゃん


274VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 01:32:16.72 ID:2W87DGIe0
そのまま、夕飯後は飲み会へ直行した

ほかにやることはないのかと言う声はもっともであるが
大学生が3人集まってやることといったらこんなものである

家主の律先輩はというと

律「……zzz」

澪「いるよな、酒弱いのに飲みたがりな人」

私「ええ」


276VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 02:09:53.56 ID:2W87DGIe0
律「ううーん、私の澪に手をだすなぁ」

澪「ったく、寝ながら何を言ってるんだか」パサッ

そういいつつ、毛布をかけてやって澪先輩はやっぱり大人である


277VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 02:20:21.56 ID:2W87DGIe0
澪「それにしても梓は自分の大学の軽音部は見なかったのか?」

私「へ、私の大学のですか?」

澪「他の大学に行っても私達とバンドを組んでくれているしさ」
 「KO大学にだって軽音サークルはあるんだろ」

私「ええ、何個か見ましたけど…」


278VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 02:26:49.50 ID:2W87DGIe0
澪「そのサークルはどうだったんだ?」

私「すごい上手なところから、遊びがメインみたいな所までありましたよ」

澪「すごい上手って」

私「私達と比べてですけど」

澪「」ガーン


279VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 02:30:28.16 ID:2W87DGIe0
私「でも、何か違ったんですよね」

澪「何かが?」

私「実力が違ったことは確かですが」

澪「う」

私「なんと言うか、フィーリングというか」

澪「フィーリングか」


280VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 02:36:06.85 ID:2W87DGIe0
澪「そういえば、梓は去年、受験勉強の合間に私達の文化祭に来てくれたんだよね」

私「ええ、まあ、先輩方も私達の学園祭に来てくれましたし」


澪「そのときに私達がやった曲を覚えてる?」

私「私が知ってる曲ばかりでしたね」

澪「うん」


281VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 02:43:07.74 ID:2W87DGIe0
澪「ふふ、学園祭が終わった後にもそんな感想聞いたんだっけ?」

私「同じことを言ったと思います」

澪「あのさ、最近渡した新曲があっただろ」

私「はい」

澪「実は、最初はあの曲を学園祭でやる予定だったんだよ」

私「へ」


282VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 02:51:10.47 ID:2W87DGIe0
澪「実はあの曲は去年の秋にほぼ出来てたんだ」

私「はあ」
 「(どおりで新曲と言って渡された割にはみんな弾きなれていたはずだ)」

澪「その曲をやる予定だったんだけど」

私「はい」


284VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 02:59:31.30 ID:2W87DGIe0
澪「学園祭直前に律が」
 「『やっぱり最初はやり慣れた曲の方がいい!』」
 「なんて言い出して」

私「はい」

澪「で結局、曲を変更したんだけど」
 「最初はみんな納得がいかなくてさ」

私「そうでしょうね、学園祭に向けて皆さん練習してきてるわけですし」


285VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 03:05:45.39 ID:2W87DGIe0
澪「でもそのあと律が選んだ曲見て、みんな納得しちゃったんだよな」

私「え」
 「確かそのときやったのは」

澪「ふわふわ、カレー、ホッチキス、ふでぺん」

私「あ」


286VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 03:11:30.55 ID:2W87DGIe0
私「それって」

澪「そう、私達が高校2年のときにやった新歓ライブと同じ」

私「えと」

澪「まあ、そのときには梓は受ける大学は大体決まってたから」
 「特に深い意味はなかったんだろうけどさ」

私「はい」


287VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 03:23:36.08 ID:2W87DGIe0
澪「最近さ、」

梓「はい」

澪「私は、最初『律がドラムで私がベースでずっと一緒にバンドやろう』」
 「何て話からバンド始めたんだけど」

梓「はい」

澪「最近はさ、律と唯にムギ、それに梓」
 「『この5人でずっと一緒にバンドしたい』って思ってるよ」
 
 「それが高校のときにホワイトボード書いた『目指せ武道館』なんて大それたものじゃなくても」

 「いつまで出来るかわからないけど」
 「出来ればずっと一緒にさ」


梓「はい」


288VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 03:24:49.58 ID:2W87DGIe0
澪「…」

梓「…」

澪「…」

梓「…」


289VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 03:26:27.67 ID:2W87DGIe0
澪「って何かまとまりのない話しちゃってごめん」
 「飲みすぎかな?」

梓「いえ」

澪「私達もそろそろ寝よっか」

梓「そうですね」


パチン(消灯)



律(澪のやつ何の話をしてんだよ、途中で起きるに起きられない)


291VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 03:34:38.35 ID:2W87DGIe0
次の日

律「えと、今日は私達が大学に通えばいいのか」

澪「そうだな」

律「めんどくさいよお」

唯先輩とムギ先輩の連絡からすると
向こうの組に何ら変わりはないらしい

ギターのメンテナンスの件は
憂が楽器屋に確認したところ
ギターの修理を依頼し受け取っていた

全く、いつまで続くことやら


293VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 03:50:33.13 ID:2W87DGIe0
その日澪先輩は実に自分の空き時間まで紬先輩の講義を受け
律先輩は実に効率よく唯先輩と律先輩の分の出席カードを手に取り教室から出てくる

出てきては

ふむ、梓が心配だから早々に抜けてきたぞ

等とぬかす

全く


294VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 03:53:57.07 ID:2W87DGIe0

律「ううーん、今日も疲れたなあ、向こうも今の所異常ないってよ」

澪「お前ほとんど講義出てないだろ」

律「今日は一日かけて、梓に講義の受け方を教えていたのだ」
 「参考になったよな、梓」

私「はい、実に有意義でした」

 「現在何かと堕落した大学生の日常と現代日本における学力低下および社会不適用が話題となっていますが」
 「その統計の資料をこの目で確認させていただきました」

律「おーい」


295VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 03:56:21.11 ID:2W87DGIe0
律「で、今日はまた梓の家に行くんだっけ」テクテク

澪「そうなるな」テクテク

律「いつまで続くのかな?」テクテク

私「そうですよね」

ドン

痛っ、急に足を止めた澪先輩にぶつかった
止まるなら止まるって言ってくださいよ


澪「お、おい、あれ…」


296VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 04:00:23.54 ID:2W87DGIe0
澪先輩の指差す先には私がいた

こちらを向いてはいるが

まだこちらに気づいていない

一体どうなっているのだろうか

あれは2人目の私であろうか

3人目4人目が登場したらもう手に負えない

唯先輩達は?

そうだ
まずは唯先輩達の身の安全を確認しないと


298VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 04:02:40.34 ID:2W87DGIe0
私「律先輩、澪先輩」
 「唯先輩達は」

律「さっきから電話してるけど」

澪「電波が届かない…」

私「な」

まさか、何かあったんじゃ

その時

向こうがこちらに気付いた

私は私と目が合った


299VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 04:05:12.88 ID:2W87DGIe0
律先輩達と澪先輩が何か言ってる?

もうちょっと大きい声で言ってもらわないと分からないです

アレ

めがかすんでる?


あしにちからが……


はいら………


301VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 04:13:09.74 ID:2W87DGIe0
気づくと真新しそうな神社の境内にいた
そばにはもう一人の私が立っている

ここは?

私「古、河原神社…?」

?「そのとおり」

背後から声がした


302VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 04:28:57.13 ID:2W87DGIe0
?「自己紹介が遅れたかな、私は『古河原俊之助』。ここ古河原神社の神である」

これはあの夢と同じシチュエーションである
今ここにいるのは、平安貴族のような格好をした人物である

古河原「うむ、君であったか、また会ったと表現するのが正しいのかな?、」

  私「(また会った?やっぱりこの人物はあの人、なのか?)」

古河原「で、どうだったかね、この二日間は?」

  私「この二日間?」

古河原「そうこの二日間は私からのプレゼントだ」

この二日間
私が私と出会い
律先輩と澪先輩と一緒にすごした奇妙な二日間
これがプレゼントとこの人物は言ったであろうか

ではこの原因はこの人物にあるのだろうか?


303VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 04:33:38.78 ID:2W87DGIe0
  梓「では、この奇妙な二日間はあなたの『仕業』ですか?」

私よりも早くもう一人の私が口を開いた

古河原「仕業?」

事態を考えれば、もう一人の私が『仕業』と表現するのもおかしくはない

古河原「仕業、であるか、くく」

  梓「な、笑いごとじゃないです!」

古河原「いやいやすまない」
   
   「うん、君は、いや、君達は何か勘違いをしているよ」

私達を交互に見ながら彼は言った



君達?勘違い?


305VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 04:45:45.46 ID:2W87DGIe0
彼は続けた

古河原「ドッペルゲンガーと言うものを知っているかね?」
  
  私「ドッペルゲンガー…」

私達の顔をみて知っていると判断したのだろう
彼は続けた

古河原「うむ、知っているようだね」
 
   「では、それに出会った者の末路は?」

   「ふむ、それも知っているようだね」

   「ではついて来たまえ」

そういうと彼は歩き出した

私達は無言でその後をついていく


306VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 04:48:42.62 ID:2W87DGIe0
彼は本殿の前で歩を止めた

古河原「では見てくれたまえ」

そういって本殿の扉をあける
本殿の中にあったものは

鏡だ

鏡と表現するのは正しくないかも知れない
もし、光を反射させ、目の前にある像を映し出すものが鏡であるというならば

これは鏡ではない


307VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 04:55:29.67 ID:2W87DGIe0
そこに映っていたのは

N女子大で真っ白な顔をして倒れている私と
それをゆすっている律先輩と澪先輩の姿である

古河原「ふむ」

ここで彼が口を開いた

古河原「これがいわゆるドッペルゲンガーに遭遇した者の末路であるか」

  私「…」

古河原「私が二日間をプレゼントしたのは、この『中野梓』に対してだよ」

古河原「私は君達が存在するであろう二日間について」
   「彼女に君達と会わないような場所を教えた」
   「さすがに私もドッペルゲンガーを作ったり消したりまではできないからね」


309VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 05:00:42.04 ID:2W87DGIe0


君達?
ドッペルゲンガー?

古河原「まあ実際は、君達が意識的にしろ無意識的にしろ彼女を探し動き周るから」
   「安全な場所をいくつか教えただけなんだがね」

  梓「でも」

古河原「でも彼女はそこから出てきてしまったようだ」

   「そして、君に出会ってしまった」
   「あれだけ忠告したにもかかわらず、残念だ」


何を言ってるんだ、この人は

これではまるで、私がドッペルゲンガーで

私が私を……


鏡に映っている私は相変わらずピクリとも動かない

これは私?

違う?


310VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 05:09:44.12 ID:2W87DGIe0
古河原「さて、もういいか」

そういうと彼は本殿を閉じた

古河原「さて、君達もそろそろ時間であろう」

   「本体が滅びて目的を果たした以上ね」


ドッペルゲンガー?

本体?

考えがまとまらない

視界が白い靄に包まれていく

君達?

一体何の話をしているの?

一体誰の話をしているの?

彼女?

私?

視界を白い靄がさえぎり始める


311VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 05:21:49.53 ID:2W87DGIe0
もう目の前が真っ白で何も見えない

私は私じゃなかった?

隣にいた私の顔はもう見えない

でもそれも私じゃなかった?

もう私自身膝のあたりまで見えなくなっている

私が私を殺したの?




私は一体なんだったのだろう?

私はこのまま消えてしまうのだろうか?


でも

武道館なんて立派なところじゃなくてもいいから

もう一度先輩達とライブがしたかったな


312VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 05:31:18.02 ID:2W87DGIe0
古河原「なーんてな」









古河原「…………」

  梓「…………」

古河原「…………く」

  梓「…………ぶふ!」

古河原 梓「wwwwwwwwwwwwwwwwww!」


え?


313VIPがお送りします[sage]:2010/11/03(水) 05:36:58.92 ID:2AiTLAQ40
(゚Д゚)え?


314VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 05:44:03.52 ID:2W87DGIe0
 梓「だから、どっきりはかわいそうって言ったじゃないですかwwwwwwwwwww」

古河原「いやあ、ひいひい、こんなに笑ったのはひさしぶりでwwwwwwwwwwww」

  梓「それにしても名演技でしたねwwwwwwwwwwwwwwwww」

古河原「ひぃひぃ、いやいや、君には負けるってwwwwwwwww」

  梓「聞いてないですよwwwwwwwwwドライアイス仕込んだ演出wwwwwwwwwwwwwwww」ジタバタ

古河原「敵を欺くのはまず味方からwww鉄則wwwwwwwwwwwwwwww」



私「……」


315VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 05:55:25.38 ID:2W87DGIe0
事の顛末を話そう

この老人、古河原俊之助は安産の神である

私のお祈りを聞き、余興でこのドッペルゲンガーの中野梓をつくりあげたという

最初はただ単にこのもう一人の私を先輩の前にちらつかせ

混乱する姿を見て一人楽しむことを目的としていたらしい

安産の神改めただの変態である

しかし、誤算が生じた

先輩達に姿をちらつかせたはいいものの
このドッペルゲンガーなんとそのまま捕獲されてしまう

その後、うまい具合にN女子大にやってきた私と入れ替わりに教室を出て
当初の目的を達成しようとするも

唯先輩に抱きつかれたままになり断念

結局その姿を教室に入ってきた私に目撃されてしまう


317VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 06:03:41.99 ID:2W87DGIe0
混乱に乗じて姿を消してくれれば良かったが

先輩達が私に付きっ切りになってしまった

その上、そこにいる全員がドッペルゲンガーは危険と判断

更に監視は強まる

しかし、余興でドッペルゲンガーを造ってしまったものの

このままふと消えるのは味気ないし

造られた側も納得しない

ホラー的展開に持っていくのも他人から見られたらすねているようで避けたい展開だ

ここで二人は計画した

どっきりを行おう

標的は私である


318VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 06:17:42.82 ID:2W87DGIe0
私「で、私はどうすりゃいいんですか」

古河原「いや、別にどうするもww」

梓「こうするもwwwww」

くそ、腹立つ


320VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 06:36:45.53 ID:2W87DGIe0
古河原「でも君も良かったんじゃないかな」

私「何が?」

古河原「だって君の当初の不安は解消したんじゃないかな?」

私「はあ?」


327VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 13:19:01.93 ID:2W87DGIe0
古河原「最初は不安だらけだったんだろう」

   「先輩達と違う大学に通うこととなった、それが不安だった」

   「それでも先輩達と仲良くできるか、それが不安だった」

   「先輩達が自分の思っている以上の実力をつけていた、そこに自分が入れるか不安だった」

   「これからも先輩達と同じ場所に立ち続けられるのか、それが不安だった」


   「だから祈った」

   「お参りの手順を確かめてまで」 

   「だから投じた」
 
   「一度手に取った十円を五百円に取り替えてまで」


   「では君にアドバイスを送ろう」

   「人生生きても100年前後、もっと肩の力を抜きたまえ」


329VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 13:22:05.94 ID:2W87DGIe0
古河原「何で私が君にもこんな二日間をプレゼントしたか教えよう」
 
   「私は君達で見てみたかったのだよ」
 
 
   「本体に遭遇したドッペルゲンガーの末路を」




  私「それじゃ、さっきしたどっきりの話と」



古河原「どっきり?」

   「ああ、どっきりの話は全部嘘だよ、くくく」

  梓「クスクス」





330VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 13:24:31.78 ID:2W87DGIe0
急に視界が白い靄に包まれる

意味が分からない

私は私?

結局私はドッペルゲンガー?


一体いつから

お参りしたとき?

高校の時?

それとも生まれる前から?


目の前が本当に真っ白だ

もう何も見えない……


331VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 13:26:42.01 ID:2W87DGIe0
うん

白い?

天…井?

先輩、達?


332VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 13:28:40.17 ID:2W87DGIe0
私はベッドの上にいた

諸君勘違いしてもらっては困る
唯先輩のベッドではない
病院のベッドである


律「それにしても一体なんだったんだか」

紬「そうねえ」

唯「これからは何が起きても大丈夫なように」
 「私がずっとこうしてるね」のしっ

梓「唯先輩、重いです」

唯「ひどいっ!」


333VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 13:34:13.46 ID:2W87DGIe0
後々受けた説明によると

唯先輩達と一緒にいた私はちょっと目を離した間に急に消えてしまったという

そして、私が倒れたことに律先輩と澪先輩が気を取られている間に
そこに現れた私も、また消えてしまったという


私はN女子大で倒れた後すぐ病院に運ばれたようだ
倒れた原因が不明のため、いくつか検査を受けることになったが
どの検査も結果は異常なしだった

しかし、明日まで入院とのこと

鏡を見てみた
写ったのはポニーテールの中野梓である


334VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 13:36:17.74 ID:2W87DGIe0
澪「しかし、ライブ数日前でこの状態じゃ、今回のライブは延期だな」

紬「そうね」

律「しかたないな」

唯「そうだね」

梓「いえ」


梓「いえ、今回のライブはやりましょう」
 「というより、やらせてください」

澪「お、おい、梓」

律「お前、今こんな状態だろ、まずは体を」

梓「お願いします、今回のライブはやらせてください」


335VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 13:41:02.83 ID:2W87DGIe0
律「って言ったって、こんな状態じゃ新曲とかだって難しいだろ」

梓「確かに、今からじゃとてもじゃないけどあの新曲は出来ません」

澪「え」

梓「だから、構成を変えましょう」



梓「とりあえず、次は私が入ってから最初のライブになるので」
 「やっぱり、最初はやりなれた曲のほうがいいですよね」
 
律「…」

 「って言うことで、律先輩、曲の構成お願いしますね」

律「お、おう、まかせとけ」

唯紬「…」クスッ


336VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 13:43:25.40 ID:2W87DGIe0
梓「で、このライブを成功させて」
 「私達の武道館への足がかりにしましょう」

澪「そ、そうだな、はは」

律「中野ー、お前言うことが生意気だぞー、安静中のくせに」

唯「じゃあ、私も頑張るよ」フンス

憂「頑張ってね、おねえちゃん」

紬「私も気合入れて頑張るわ」


337VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 13:46:55.66 ID:2W87DGIe0
次の日、私は退院した
帰って財布の中を確認してみると領収書が入っていた
大学の近くの楽器店のギターのメンテナンスの領収書である
ギターを確かめるとネックの歪みはなかった

私は鏡を見てみた
写るのはポニーテールの中野梓である



後々調べてわかったことだが
古河原神社が祭っている神様は古河原俊明という
古河原俊之助と言う名前は調べる限りでは見当たらない


343VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 17:19:55.24 ID:2W87DGIe0
まさに一体全体摩訶不思議である

こんな考え事ばっかりのときはギターを弾くに限る

ライブでやる曲は大体想像がつく

私はギターケースからギターを取り出し

ネックの歪みがないギターを手にとって慣れた手つきで弾き始めた


344VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 17:35:30.63 ID:2W87DGIe0
最後に

『中野梓』と記された出席カードが一講義に二枚確認されていたため
単位認定に唯一『経済学』が不可となったことと

私が「神様など信じない」ということは

紛れもない真実だ

神に誓ってもよい




以上でこの話はおしまい


347VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 17:47:37.32 ID:2W87DGIe0
だってさ、ふふっ

久しぶりにライブも見たけど

どうやらも元気にやっているようで安心したよ


うーん、それにしても暇だなあ

この日記も読み終わってしまったし

次は何をしようかな


349VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 17:54:26.27 ID:2W87DGIe0
それにしてもこの日記、何でこの日付で終わってるんだろ

何気に梓も飽きっぽいのかな?

ガチャリ
梓「ご飯買ってきたよー」


梓「ってこら!勝手に人の日記見るなーーーーーーー!」


351VIPがお送りします[]:2010/11/03(水) 18:08:00.85 ID:2W87DGIe0
私は梓に聞いた

結局この日記ってどこまでが本当でどこまでが嘘なの?


梓「え」

 「全部嘘だよ」

 「神様に誓って」クスクス




おしまい


352VIPがお送りします[sage]:2010/11/03(水) 18:10:03.30 ID:oZFJJ06R0









はじめに
いつもコメント
ありがとうございます(`・ω・´)

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