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憂「お姉ちゃんいい加減にしてよ!」

1VIPがお送りします[]:2010/08/19(木) 02:50:41.44 ID:7tHcbNom0
 それはお姉ちゃんが大学一年、私が高校三年のときの出来事。
お姉ちゃんの通う大学は二年になるとキャンパスが異動になって、家からかなり遠く離れた所へ通わなければならなくなった。
だから、お姉ちゃんは今年の三月末には一人暮らしを始めることになったのだ。
その話を和ちゃんとしていると、和ちゃんはいつになく真剣な顔で切り出した。

「あのね憂。やっぱりこのままじゃ、まずい気がするわ。」
「…そうだよね、いざ、家族以外の人に言われると手厳しいものがあるけど、自分でも薄々気付いてたんだ。」
「ごめんなさいね、他人の私が人の家庭事情に首を突っ込んだりして。でも、唯を見てると心配で。」

でもあの子、このままだと憂無しじゃ生きていけなくなっちゃうわよ。

和ちゃんの指摘は、これ以上無くストレートに、的確に私の心を揺さぶる。
お姉ちゃんは、私に頼りすぎている。少なくとも自分の身の回りの世話は自分でできるようにさせないと、
この先、生活していけなくなってしまう、と。
改めて振り返ってみると炊事、洗濯、買い物…どれもお姉ちゃんは普段やらない。
それは、決してお姉ちゃんだけが悪いわけじゃない。家事という仕事を一手に引き受けて―――否、お姉ちゃんの笑顔が見たいがために、
奪ってしまった私にも責任があるから。認めたくはないけど、認めなければいけない。このままでは、お姉ちゃんはダメ人間になってしまう。





6VIPがお送りします[]:2010/08/19(木) 02:54:00.71 ID:7tHcbNom0

「和ちゃん…私、やってみるよ。お姉ちゃんの事を想えばこそ、このままじゃダメだよね!」

意気込む私とは反対に、和ちゃんは眉を八の字に下げて心配そう。

「憂…きっと、あなたにとっては辛い事になると思うわ。
お願いだから、一人で抱え込まないで……唯に言えないことなら、私が受け止めるから。私も、唯とあなたが大切だから。」
「うん…ありがとう。」

和ちゃんと別れて家路を歩きながら、ふと昔の思い出を引っ張り出してみる。

和ちゃんはお姉ちゃんの幼馴染だけど、私にとってもそれは同じこと。小さい頃は三人で一緒に遊んでたりしてたから、
律さん、澪さん、紬さん、梓ちゃんといった軽音部の人達とは少し違う、どこか特別な存在だ。
そういえば、よく近所の公園に行ったっけ。ブランコをこぎながら、誰が一番高くこげるかとか、
三人並んで滑り台を滑り降りたりとか、公園に散歩に来ていた人の連れている犬を撫でたりとか…。

あの頃が懐かしいなぁ。
そんな事を考えている間に、目の前が玄関になっていた。戸を開けると、お姉ちゃんの靴がある。
ってことは、もう帰ってきてるんだね。

「ただいまー。」
「おかえり憂~。」

リビングからお姉ちゃんの声。やっぱり、またゴロゴロしてるのかな。しょうがないなぁ。
スーパーで買ってきた食材を冷蔵庫に仕舞っていると、ギー太のチューニングをしながらお姉ちゃんが訊ねてくる。


8VIPがお送りします[]:2010/08/19(木) 02:54:52.11 ID:7tHcbNom0

「憂、今日の晩御飯は~?」
「えっとね、今日はカレーにしようと思うんだ。お姉ちゃん、手伝ってくれる?」
「おっ、わたしの手が必要なんだね、もちろんいいよ!」

嬉しそうにお姉ちゃんはわたしの申し出を了承してくれた。
私としても、お姉ちゃんと一緒に料理をするのは楽しいし、この機会に包丁の扱い方や野菜の切り方なんかを
きちんと教えようと思う。実を言うと、料理に関してはそんなに心配してない。だって、できるようになるのが実感できると
楽しく感じるようになるものだから。

タン!タン!…タン!
まな板に打ちつける包丁のリズムはまだどこかぎこちないけど、最初の頃のような危なっかしさは無くなってきたかな。

「そうそう、半分に切ったら今度はそれをまた半分にするでしょ?そう、それでおっけーだよ。」
「これが銀杏切りかぁ。なんかカッコいいね!」
「ふふ、そう?じゃあ今度はジャガイモの切り方だけど…」

姉妹で料理に勤しむ時間はあっという間に過ぎて、気付けばいつもの晩御飯の時刻より少し遅くなっていた。
けれど、お姉ちゃんが楽しそうに料理をする姿を見ていると、やっぱり提案してよかった、と思える。
さり気なくお手伝いをお願いしてお姉ちゃんに家事を覚えさせる作戦は、当初は成功かと思われた。
けれど、やっぱりそう上手くは行かないみたいで、その頃からだろうか。私達姉妹の間に亀裂が入り始めていたのは。


9VIPがお送りします[]:2010/08/19(木) 02:56:28.06 ID:7tHcbNom0


     ◇     ◇     ◇


「あら憂、どう、唯の様子は?」
「あ…和ちゃん。それが、最近あんまり上手く行かなくて…昨日もお姉ちゃんに、私が料理してる間にお風呂掃除と
洗濯物のアイロンかけをお願いしたんだけど、いっぺんに二つなんてできないって言われちゃって…」
「そっか。でもそこで甘やかしちゃダメよ。出来る限りでいいからやらせないと。
一人暮らしを始めたら、全部自分でやらなきゃならないんだから…憂にとっては辛いだろうけどね。」
「でも、お姉ちゃんのためだから頑張るよ!」
「きっとまだ唯は、憂に対する甘えみたいなものから抜け出せないのね。
もし、優しく言っても聞かないようなら…時には厳しく接しないとならないこともあるかも知れないわ。」

晩御飯の食材を買いに出掛けた先で、和ちゃんにばったり出会って、近くのベンチでタイヤキをかじりながら並んで座った。
辛い事があったら、抱え込まないで全部私に吐き出していいんだからね、と優しく頭を撫でられて。
泣くつもりなんて微塵も無かったのに、涙が頬を伝っていた。和ちゃんはそんな私を見て「まったく、姉妹揃って甘えん坊なんだから。」
と、そっと抱きしめてくれた。「お姉ちゃん」とはまた違う雰囲気だけど、和ちゃんもまた、私にとっては「お姉さん」みたいな存在。
和ちゃんが落ち着きのある長女で、お姉ちゃんが元気な次女、って感じなのかな。そして私が、内気な三女…?
ふと、和ちゃんも本当のお姉ちゃんだったらいいのに、なんて思ってしまった。


10VIPがお送りします[]:2010/08/19(木) 02:57:27.45 ID:7tHcbNom0

「お姉ちゃん、お昼ご飯の前に部屋の掃除済ませちゃいなよ。」
「えぇーっ?まだいいよぉ、一週間前にしたばっかじゃん。」
「ダメだよ、本当なら毎日でもしなきゃすぐホコリが溜まっちゃうんだから。」
「むぅーっ、憂のケチ!」

膨れっ面をしながらも、お姉ちゃんは掃除機を手に部屋へ向かっていった。
今日のお姉ちゃんの家事は、掃除と買い物かな。今日の夕飯は、お姉ちゃんの大好きなメニューを作ろう。
夕飯の献立がお肉なので、お昼は蕎麦を茹でる事にした。お隣のおばあちゃんからおすそ分けしてもらった、信州名物の戸隠蕎麦だ。
二階からはガーガーと掃除機の稼動音が聞こえてくる。お姉ちゃん、なんだかんだで家事上達してきたなぁ。

「お姉ちゃん、ご飯だよー。」
「ほーい。今日のお昼はなーにっかなー…って、お蕎麦かぁ。」
「どうしたの?」
「なんでもないよ。いただきまーす。」

お姉ちゃんの態度は気になったものの、特に何を言うわけでもなくずるずるとお蕎麦を啜っていたので、それほど気には留めなかった。
そして、二人で夕方まで宿題をしたりテレビを観たりして過ごしていると、あっという間に夕飯の支度の時間。

「お姉ちゃん、晩御飯の材料買ってきてもらえる?」
「………」

お姉ちゃんからの返事がない。どうしたんだろう。


11VIPがお送りします[]:2010/08/19(木) 02:58:08.21 ID:7tHcbNom0

「お姉ちゃん?どうし―――」
「憂はさぁ、最近面倒な事全部、わたしに押し付けてるよね。」
「え?」
「自分は楽しい料理とかラクな洗濯機回しとか、やりたい事ばっかりやって、お買い物とか掃除とかアイロン掛けは殆どわたしじゃん!」
「そ、そんなこと―――」
「あるよ!お陰で最近ギー太を弾く時間だって満足に取れないし、たまーのお休みの日も全然休んだ気になれないし。」

言われてみれば、知らず知らずのうちにそんな配分になっていたかもしれない。洗濯機を動かすのは誰でも出来るし、
買い物や掃除、アイロン掛けなんかはコツを覚えるまで重点的にやらせたほうがいいと考えた事もあった。
けれどそれはどちらかといえばお姉ちゃんにとってやりたくない仕事だったから、そんな事ばかりやらされればストレスも溜まる。

「ご、ごめんね。そういうつもりじゃ……」
「最初は憂と一緒に料理したりして楽しかったのに、今は料理だってわたし一人に任せるようになったし。
もういいよ、憂はそうやって自分がラクしたいだけなんでしょ。ほら、買い物行くんだから早くメモ貸してよ。」

不機嫌そうに手を差し出すお姉ちゃん。本当はやりたくないけど、この期を逃がすわけにはいかない。


12VIPがお送りします[]:2010/08/19(木) 02:59:02.68 ID:7tHcbNom0

「……お姉ちゃん、いい加減にしてよ!!私だって好きで家事やってるわけじゃないんだよ!?
掃除洗濯買い物炊事……毎日毎日毎日毎日私ばっかりやらされて、
お姉ちゃんは休みの日でも家でゴロゴロゴロゴロ!バイトするわけでもなく、
最近になって少しはマシになったかと思ったら休みの日は殆どお友達と遊びに行って遅くまで帰ってこないし…私への当てつけなの!?」
「う…そ、それは…」
「どうなのお姉ちゃん!?教えてよ、教えてったら!!!」

おろおろするお姉ちゃん。もう、反論する事も頭にない、って顔だった。…ごめんなさい、お姉ちゃん。



私は、嘘を吐きました。



「………ごめん、ごめんね、憂。そうだよね…憂は今までずっと一人で…これからは、ちゃんと家事も手伝うから。文句も言わないから。だから…」
「いいよ、もう。お姉ちゃんなんて知らない。お姉ちゃんに期待した私がバカだったんだよ。」


14VIPがお送りします[]:2010/08/19(木) 02:59:54.91 ID:7tHcbNom0

いつの間にか、鼻声になっていた。零れる涙をぐしぐしと袖で拭く。
がつん、と頭を殴られたようなショックを受けたように、お姉ちゃんの顔は強張っていた。
元々押しの弱いお姉ちゃんだから、私がちょっと怖い顔をして声を荒げるだけであっという間に青菜に塩だと思う、
と耳打ちしてきたのは和ちゃんだった。
可哀想だけど、お姉ちゃんの自立のためには私も心を鬼にしないとダメだもの。泣きながら、プイッと顔を背けて。
無言で部屋に戻って、戸に鍵を掛ける。暫く耳を澄ませていると、お姉ちゃんはどうやら出掛けたらしかった。
……さっきのは言い過ぎたよね。帰ってきたらお姉ちゃんに謝らないと。
和ちゃんも、つくづく損な役回りだと思う。自分だって辛いはずなのに、それをじっと堪えて協力してくれている。
もしお姉ちゃんが、和ちゃんに私と上手くやっていけていない事を相談したとしても、真相を知っている和ちゃんは
さりげなくお姉ちゃんを自立の方向へと導かなければならないのだ。お姉ちゃんと私との間のクッションとなって、
しかもお姉ちゃんの事をさりげなく誘導して、私の弱音まで受け容れてくれている。
やっぱり私は、一人きりじゃ何もできない、ダメな子だった。



     ◇     ◇     ◇


16VIPがお送りします[]:2010/08/19(木) 03:00:58.92 ID:7tHcbNom0

 ショックだった。としか言いようが無い。だって、あんなに優しかった憂が、嫌悪の表情を顕にしてわたしを睨んでいたから。
憂、どうしちゃったの?また憂と一緒にお料理したいよ。今まで憂にばっかり家事をやらせちゃってごめんなさい。
だから…だから…また昔みたいに、二人で笑おうよ。ねぇ、憂。わたしの事、嫌いになっちゃったの…?
……こうしていても仕方がない。これ以上憂に迷惑を掛けないためにも、行動で示さないとね。

買い物のメモを手にふらふらと商店街を歩く。最近、大手のスーパーよりも商店街で別々に材料を買った方が安く済むし、
新鮮で美味しいことが分かってきた。これも、憂に買い物のノウハウを教えてもらったお陰なのかな。
でも隣に憂が居ないと、すごく空しくて、吹きつける北風が物凄く寒い。商店街の威勢のいい呼び込みでさえ、どこか遠く感じる。

「寂しいよ、憂…」

どこで道を誤ったんだろう。それすら分からないまま、こんな所まで来てしまった。
あまりに悲しくて、自分ではどうしていいか皆目検討も付かなくて。
でも、憂に嫌われたままでいるのはもっと辛くて。人に頼っちゃダメだと頭では判ってたのに、
わたしは心の友とも言うべき親友、りっちゃんに電話を掛けていた。



「―――で、唯さんの悩み事の相談に乗るためだけにあたしはここに呼び出された、と。」
「ご、ごめんねりっちゃん。りっちゃんだって忙しいよね…」


17VIPがお送りします[]:2010/08/19(木) 03:02:16.12 ID:7tHcbNom0

りっちゃんはさみーさみーと両手を擦り合わせながらぶるぶる震えていた。
それでもわたしの相談に乗ってくれた事が嬉しくて、思わずりっちゃんに肉まんとホットココアを奢ってしまった。
大学に入ってからりっちゃんは、前髪を下ろして女の子してる、って感じだ。いつものカチューシャをつけてないと
なんかクールに見えて、少し気後れしてしまう。中身は変わってないって判ってはいるけど。

「なぁーに言ってんだよ唯!親友が困ってるのに見捨てておけるほどあたしは薄情者じゃないっての。それに、他ならぬ憂ちゃんの事だろ?」
「うん…実はね、憂を怒らせちゃって。喧嘩、しちゃったんだ。
でも、憂に言われた事を思い出せば思い出すほど、わたしってなんてダメなんだろう、って思えてきちゃって…」

一言紡ぐ度に涙がこぼれそうになる。りっちゃんは腕組みをして聞いてくれてたけど、やがて口を開いた。

「なぁ、もしかしたらそれは、唯に対する憂ちゃんのSOSなんじゃないか?」
「えっ!?」

考えもしなかった言葉が耳に入ってきて、思わずりっちゃんを見つめた。

「考えてもみろよ、今まで文句の一つも言わずに、幸せそうに唯の世話を焼いてたあの憂ちゃんがだぞ?
ある日突然唯に対して冷たい態度をとるようになるなんて、信じられないだろ。きっと何か理由があるんだ。
例えば、憂ちゃん自身が深刻な悩みを抱えてて、自分ひとりじゃどうしようもないのに、憂ちゃんの性格上、唯にも相談できない…」
「そ、それってつまり…?」
「学校で虐められてて、その反動でそんな言動を取っちゃった、とか。」


18VIPがお送りします[]:2010/08/19(木) 03:03:05.89 ID:7tHcbNom0

神妙な顔で紡がれたりっちゃんの言葉に、背筋がすっと冷たくなった。それと同時に、背中に嫌な汗がどっと噴き出てくる。

「そ、そんなっ…憂っ…!」
「ま、まぁ飽くまであたしの想像だけどな。憂ちゃんに限ってそういうことは無いと思うけど。
でもいいか、唯。こういうことは、本人に問い質しちゃダメだ。余計に傷つけることになるからな。
おまえも憂ちゃんの姉なら、黙って優しくしてあげるんだ。それが、何よりの慰めになるはずだからさ。」
「りっちゃん…ありがとう。わたし、今まで自分の事でいっぱいいっぱいで、
全然憂の事を考えられてなかった。わたし、憂の支えになれるように精一杯がんばるよ!」
「ははっ、元気出たみたいだな。まぁ、困った事があったらいつでもまた相談しろよ?」
「うんっ!」

りっちゃんを見送って商店街に戻る途中で、ふとりっちゃんに言われた言葉が頭をよぎった。

―――虐められてる

そんなはずはない、憂は誰にでも優しくて、いい子で、何でもできて…

「……」

あずにゃんに、電話してみよう。

トゥルルルル…トゥルルルル…


19VIPがお送りします[]:2010/08/19(木) 03:03:51.86 ID:7tHcbNom0

「もしもし?」
「あ、もしもしあずにゃん?今、ちょっといいかな?」
「いいですけど、どうしたんですか唯先輩。突然電話なんて…」
「うん、ちょっと訊きたい事があってね。最近憂、学校でどう?元気無かったりしない?」
「うーん…確かに、言われてみれば、元気無いですね。純も私も同じクラスになれなかったので
時々廊下で会ったりするくらいですし、最近は部活の引継ぎでバタバタしててあんまり話せてないですけど。」

やっぱり、りっちゃんの勘は正しかったみたいだ。ふと、いつか読んだ漫画の台詞がフラッシュバックする。
『何でもできて、人当たりがいいからといって、万人に好かれるとは限らない。
何でもできてしまう者は、その才能故に時として周りから妬まれ、疎まれる事だってある』

「…うん、そっか。分かった、教えてくれてありがとね。あずにゃん、お願いがあるんだけど…憂のこと、元気付けてあげてくれるかな。」
「え?どういう――」
「ごめん、理由は訊かないで。わたしじゃ、憂を元気付けてあげられないから…じゃあね。」
「えっ!?ちょっと、唯せんぱ――」

ツーッ…ツーッ…

―――黙って優しくしてあげるんだ。

わたしにできる事って、それくらいしかないもんね。ううん、それすら満足にしてあげられてない…ほんと、ダメなお姉ちゃんだなぁ。
まだまだ春には程遠いけれど小春日和の今日この頃。お天道様の機嫌とは対照的に、私の心はすっかり凍えてしまっていた。


20VIPがお送りします[]:2010/08/19(木) 03:04:51.15 ID:7tHcbNom0

「うい…」

気を紛らわそうとして、買い物メモを見る。牛挽き肉、玉ネギ、ケチャップ……
これ、ハンバーグの材料だ。今日の夕飯は憂が作るって言ってたから、きっと憂はわたしの好物を作ろうとしてくれてたんだね。
お昼ご飯のお蕎麦、物足りないなんて思ってごめんなさい。本当は、すごく美味しかった。



 その日、憂は具合が悪いと言って部屋から出てこなかった。たった一言、さっきはごめんね、お姉ちゃん。とだけ言ってくれたけど。
わたしが気にしてないよ、と明るく声を掛けても、憂の笑い声はからからと乾いていて、空しさばかりが胸に突き刺さった。
仕方がないから、一人で晩御飯を作って、憂の分は冷蔵庫に入れておくからね、と声を掛けて。
沈んだ気分のせいで味気の無いハンバーグを、身体だけは気分に関係なくご飯を平らげて。
リビングでぼーっとしている間に、せっかく沸かしたのにすっかり温くなってしまったお風呂に入って寝ようとした。
その時だった――わたしの耳が、憂の部屋から漏れてくる啜り泣きをとらえたのは。

カチャ――

鍵は、掛かっていなかった。わたしの目に飛び込んできたのは、寝間着にも着替えずに膝を抱えたまま泣きじゃくる憂の、小さな背中。
いつもはすごく頼りになる妹が、こんなに弱々しく見えたのは、これが初めてだったかもしれない。



     ◇     ◇     ◇


21VIPがお送りします[]:2010/08/19(木) 03:05:30.78 ID:7tHcbNom0

「憂…大丈夫?」

お姉ちゃんが私の背中を撫でる。隣に座る気配。ダメだ、こんなことじゃ。
こんなことじゃ、お姉ちゃんは何時まで経っても私から離れられない。私から、お姉ちゃんを突き放さなきゃいけない。

「っ…!放っといてよ、お姉ちゃんには関係ないんだから!」
「う、うい…?」
「出てって!出てってってば!!」

強引にお姉ちゃんの手を振り払って、部屋の外へ押し出して、鍵を掛ける。戸口から聞こえてくるお姉ちゃんの心配する声。
ごめんなさい、ごめんなさいお姉ちゃん…!お姉ちゃんの気持ちを踏みにじるような事をして、ごめんなさい…っ!
今までお姉ちゃんにしてきた仕打ちを思い返すだけで、涙が溢れて止まらない。
本当は、今すぐにでもお姉ちゃんに抱きついて、何度も、何度も謝って許しを乞いたいのに。
でも、それをしてしまったらお姉ちゃんへの裏切りになるから。だからせめて、心の内だけでも謝らせて。


24VIPがお送りします[]:2010/08/19(木) 03:06:21.27 ID:7tHcbNom0

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 結局、また突き放されてしまった。今すぐにでも泣き出したいくらい、目頭が熱い。
でも泣くわけにはいかない。わたしよりも何倍も何倍も、憂のほうが辛いんだから…。
さっきの様子で、疑ってた事が殆ど確信に変わった。やっぱり憂は、高校のクラスメートと上手くいってないみたいだ。
その上、わたしの世話焼きなんて貧乏くじが回ってくれば、不満だって爆発するに決まってる。
そう考えれば、全ての合点がいく。そのくせ、わたしが姉としてしてあげられることは何一つ無くなってしまった。
……いや、あるにはある、のかな。憂の身の回りのお世話、とか…。今までのお返しを、こんな形ですることになるなんて。
頑張ろう。それが、今わたしにできる唯一の憂を支えられる手段なんだ。ふと目にしたカレンダーの日付けに、
やるせなさをしみじみと感じる。…わたしがこの家で憂と過ごせる時間も、そう長くはなくなってきている。
                                              ―――――――2/19 唯の日記より抜粋
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25VIPがお送りします[]:2010/08/19(木) 03:06:59.26 ID:7tHcbNom0

 二日が過ぎた。お姉ちゃんは人が変わったように家事をてきぱきとこなし、私が朝起きる頃には朝食を作ってくれていたり、
お風呂掃除をしようとしたらもうお湯が張ってあったりと、まるっきり私の仕事がなくなってしまうほどに働いてくれるようになった。
ご飯の支度もすっかり一人でできるようになったみたいで、私が手伝おうとすると「わたしにはこれくらいしかできないから、憂は休んでて」
とやんわり断られてしまって、なんだか寂しい。相変わらず週末は出かけるみたいだけど、もう心配はないと思う。
今までの態度の理由と事情を説明して、お姉ちゃんに謝ろう。そう決心したけれど、
今更どうやって謝ったらいいんだろう。きっとお姉ちゃんは、内心私の事を嫌ってるに決まってる。
今までのような、仲良し姉妹に戻る事はできるんだろうか。そんな事ばかり考えていた。
不安で不安で、気を抜くと泣き出してしまいそうなくらいに心が不安定だった。
でもお姉ちゃんの前で泣くわけにはいかない。今の私にそんな資格は無いんだから。
どうやって仲直りしようかと考えあぐねて、それでもいい案は浮かばなくて、途方に暮れたまま、一日が終わる。
そしてその翌日、私は和ちゃんに呼び出されたのだった。


「どう、唯は頑張ってる?」
「うん、和ちゃんのアドバイスのお陰で、お姉ちゃんの事はもう心配なさそう。」
「そっか。やっぱりというか元気ないわね、憂。…少し、散歩しない?」
「うん…」

和ちゃんと二人、並んで歩く。お姉ちゃんは今頃、家でお夕飯を作ってくれてるのかな…。
仲直り、できるのかな…。


26VIPがお送りします[]:2010/08/19(木) 03:07:53.73 ID:7tHcbNom0

そんな事をぼんやり考えながら、私達が辿り着いたのは、昔よく遊んだ近所の公園。
今日は誰も遊んでいなくて、私と和ちゃんだけが夕日に照らされている。
コンクリートに固められえた遊具に寄り掛かるようにして並び、ぽつりと和ちゃんが切り出した。

「唯ね…あなたが学校で虐めにあってるんじゃないかって、心配してたわ。」
「えっ!?」
「どうも梓ちゃんに電話して様子を訊いたらしいんだけど、元気がないって聞いて。
道で滑って転んで制服を泥だらけにして帰ってきた時の事で、虐められてるって完全に信じ込んじゃったらしいの。」
「そんな!それじゃあ私、ずっとお姉ちゃんに心配掛けっぱなしで…」
「そうね。というか、心配ならずっと掛けっぱなしだったと思うわよ?唯の事だもの。
どんなに一方的に嫌われたとしても、たった一人の大切な妹が心配にならないわけがないわ。
でも、憂が甘やかさずに接してきたからこそ、結果として唯はひとりだちできるくらい、
生活力が身についたと思うわ。……本当に、今までよく頑張ったわね、憂。もう……我慢しなくていいのよ。」
「のどか、ちゃ…うぅ、うわぁぁぁぁん!!」

もうすぐ大学生になるというのに、私はみっともなく大声を上げて泣いてしまった。
ずっとずっと胸の奥に閉じ込めていた想いが堰を切ったように溢れ出て、次々に口を衝いて出てくる。
こんな所で和ちゃんに懺悔したところで、何の解決にもならない事は判りきっているのに、涙は止まることを知らずに溢れ続ける。


28VIPがお送りします[]:2010/08/19(木) 03:08:54.86 ID:7tHcbNom0

「わたし…わたしイヤな子だった…お姉ちゃんの事をアゴで使って、大変な事全部押し付けるようにやらせて…
お姉ちゃんの不満が溜まるのも当たり前なのに、恩着せがましく今までの事を掘り返してお姉ちゃんに罵声を浴びせて…っ!!」
「うん、うん…辛かったわね。でも憂は、唯のために家事をすることは苦じゃないんでしょう?本当は唯の事が、大好きなのよね?」

和ちゃんの胸に顔を埋めたまま、濁った返事をする。

「う゛ん゛っ!でも゛…っ!!」
「その気持ちがある限り、あなた達はいつまでも仲のいい姉妹よ。唯も絶対、分かってくれる。幼馴染の私が保証するわ。」
「っ…わ゛だしっ、ぜっだい、おね゛えぢゃんに嫌われぢゃっだ…!」
「そうかしら?私はそうは思わない。あなたのしてきた事の真意を知った今なら、尚更、ね。」
「……それは、ぐすっ、和ちゃんが、全部知ってるから…」

洟を啜りながら、詰まった声で紡ぎだす。しかし和ちゃんは澄ました顔で、唇の両端を吊り上げてみせた。

「本当にそう思う?なら、直接本人に訊いてみましょうか。ねぇ、唯?」

…えっ?


29VIPがお送りします[]:2010/08/19(木) 03:10:45.56 ID:7tHcbNom0

 のどかちゃんの言葉を合図に、遊具の影から姿を現した。
今わたしは、どんな顔をしてるんだろう。
きっと、泣き笑い、に近い表情だと思う。

「おねえ、ちゃん…」
「うい…そう、だったんだね…憂は私の事を心配して、だから――」
「ごめ゛ん゛…ごめ゛ん゛ね゛おね゛え゛ぢゃん゛っ…!」
「ううん、わたしこそ、文句ばっかり言ってごめんなさい。憂、これ……」

震える手で憂に差し出したのは、三日月の飾りがあしらわれたペンダント。

「これって…」
「やっぱり忘れてたんだ。今日、憂の誕生日だよ。それでね、
何がいいかずっと悩んでたんだけど…やっぱり憂とおそろいにしたくて。」

首に提げている、太陽の飾りをあしらったペンダントを引っ張り出す。
実を言うと、オーダーメイド。純銀だし、決して安くはなかった。
何をあげようかと悩んでいたわたしがこの選択に至ったのは、和ちゃんがぽつりと言った事が切欠だった。


32VIPがお送りします[]:2010/08/19(木) 03:11:48.95 ID:7tHcbNom0

月と太陽。
太陽は誰にでも惜しみなく光を与え、生きとし生けるものの命の糧となる。
月は夜の帳を、太陽の助けを借りて穏やかに照らし、孤独に疼く心を優しく癒す。
まるであんたたち姉妹みたいね。わたしには憂が、憂にはわたしが必要なんだって。
たとえ距離が遠くなることはあっても、切っても切れない縁なんだって。
「ごめん、柄にも無い事言ってるわ。今のは忘れて」と苦笑して言われたけど、不思議とわたしの耳にはその時の言葉が残っていた。

「憂、唯が週末家に居なかった理由はね、憂へのプレゼントを買うんだって、短期のアルバイトをしていたからなの。」
「え…!?」
「のどかちゃん、それは言わない約束…!」
「ふふ、観念しなさい、唯?」
「ぶぅ。…えへへ、なんだか面と向かって言うの照れくさいけど…貰ってくれる?」
「っ…もちろん!!大事に、大事にするからね…っ!」
「ありがとう憂~!」

もう、我慢できない。思いっきり憂に抱きついて、全力で頬擦りして、ぎゅうっと抱きしめて、抱きしめ返されて。
憂の匂いと、あったかさとやわらかさを体中で感じて。私の心には一足早く、春がやってきた。
きっとそれは、憂も同じなんだろうと思う。ぴったりと密着したわたしと憂の頬の谷間に伝う雪解け水は、
少しだけしょっぱい味がした。今日はお父さんもお母さんも「少し遅くなるけど必ず帰る」って言ってたから、
のどかちゃんも一緒に、みんなで憂の誕生日祝いをやろう。料理は準備万端。ケーキも作ったし、あとはロウソクを立てるだけ。
お店のものに比べたら味や見た目は落ちるかもしれないけど、込めた真心だけは絶対に負けない。


33VIPがお送りします[]:2010/08/19(木) 03:12:27.66 ID:7tHcbNom0

「ふぅ、無事、一件落着ね。それにしても誰よ、憂が虐められてるかもなんて厄介な誤解を吹聴したのは。」
「りっちゃんです…」
「律……唯も唯よ?律がちょろっとそんな事言っただけで鵜呑みにしちゃうなんて…」
「うぅ、面目ない…」
「…ふふ、でも律さんのお陰で梓ちゃんと純ちゃんがよく教室に遊びに来てくれるようになったんだよ。
悩みがあったらいつでも言ってねって言われちゃった。心配してくれてありがとう、お姉ちゃん。」
「そっか…ねぇ、憂。今までありがとね。これからはわたし、料理も洗濯も掃除も買い物もちゃんとやるよ。
憂ばっかりにやらせたりしないから。だから、これからもよろしくお願いします。」

今まで憂に掛けた負担と、自分のぐうたら加減を恥じて頭を下げる。
こんなだらしない姉なのに、憂は笑って許してくれた。

「ううん、私こそごめんなさい。本当はお姉ちゃんにご飯作ったりするの大好きなのに、
イヤだったなんて嘘吐いて、お姉ちゃんにも辛い思いさせて……これからは、一緒にやらせて?」
「もちろん!憂と一緒にお料理するの、わたし大好きだもん。大歓迎だよ~。」
「お姉ちゃん…」
「うい…」
「「大好きっ!!」」


35VIPがお送りします[]:2010/08/19(木) 03:13:15.99 ID:7tHcbNom0

Side:Nodoka Manabe

 本当にもう、この子達は世話が焼けるんだから。…でも、無事に仲直りできて良かった。
こうして姉妹仲睦まじく寄り添っているのが一番絵になるものね、この子達は。
心底幸せそうな二人の笑顔を見てると、私の心配なんか本当に微々たるものなんだって感じられる。
唯、憂、二人とも頑張ったわね。もう喧嘩しちゃだめよ?…なんて、元凶の私が言えた事じゃないか。

私は二人に、と買って二人の名前を刺繍にしたエプロンの入った手提げを腕に掛ける。
そよそよと南風が吹き抜けてゆく。こんな季節に、何故?と一瞬考えて、やめやめ、とかぶりを振った。
きっとこれは、姉妹仲が元通りになった事への祝福なんだろう。誰から?…誰だっていいか。
ささやかな奇跡とも言うべき自然の気まぐれよりも姉妹の絆がより強くなった事こそが、なによりの誕生日プレゼントのはずだから。
放っておくといつまでも抱き合ったまま離れようとしない姉妹の頭にポンと手を乗せる。

「ほらほらお二人さん。イチャイチャするのは結構だけど、家でやってくれるかしら?」

はぁーい、と仲良くいい返事が返ってくる。
恋人のように手を繋いだままの二人の背中を押して、私はふっと笑みを零しながら平沢家に足を向けるのだった。

―――Dear 憂, HAPPY BIRTHDAY!!



     ◇     ◇     ◇


37VIPがお送りします[]:2010/08/19(木) 03:13:49.37 ID:7tHcbNom0

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2/22

 自分でもすっかり忘れていた誕生日。自分の誕生日を忘れるなんて、お話の世界だけだと思っていました。
正直言って、お姉ちゃんと仲直りできる自信が無くて、お姉ちゃんに今以上に拒絶されるのが怖くて、
きっと和ちゃんが背中を押してくれなかったらこの結果にはならなかったと思います。
本当にありがとう、和ちゃん。今度は精一杯、お礼をさせてください。
 それにしても、私が学校で虐められてるんじゃないかなんて…そんなに私は学校で落ち込んでるように見えたのかな。
どっちにしても、梓ちゃんや純ちゃんにまで話が広がっちゃったみたいで…心配掛けてごめんなさい。

 でももう大丈夫!お姉ちゃんとはちゃんと仲直りできたし、結果として私と和ちゃんの作戦は上手くいきました。
これでもう、お姉ちゃんが一人暮らしを始めても大丈夫だよね。お姉ちゃんと一緒にこの家で過ごせるのも、
あと少しなんだなぁ、って実感が沸いてきました。思えば、ご近所さんには生まれた日からの仲良し姉妹で通ってたよね。
小さな事でちょくちょくケンカしたことはあったけど、どっちかが泣くまでケンカしたことは殆どないし、
お姉ちゃんのぐーたら生活改善作戦を実行中は、胸が苦しくてたまりませんでした。
言うまでもなく、そんな私の支えになってくれたのが和ちゃんです。どれだけ感謝してもし足りないくらい…。
でも、信じてました。お姉ちゃんならきっと乗り越えてくれるって。だって、私の自慢のお姉ちゃんですから。

 公園でお姉ちゃんに抱きしめられて、頬擦りされたあの時、ちょっと恥ずかしかったけど、すごく温かくて嬉しかったです。
やっと、私達の仲が元通りになれたような気がして…ううん、なったんだよね。
それで、自分でも忘れていた誕生日のプレゼントを二人から貰って…一生の宝物にしますって言ったら、
使ってくれなきゃ困るって怒られちゃいましたけど。お父さんとお母さんも、忙しい中予定を切り詰めて帰ってきてくれて。
あとで訊いたら、お姉ちゃんが「憂の誕生日には、絶対に帰ってきて」ってお願いしてくれたとのこと。
もちろん、お父さんもお母さんも元からそのつもりだったみたいです。
お姉ちゃん、あなたの妹で私、本当に幸せです。だから…だからこれからも傍に居させてね。
ずっと―――

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38VIPがお送りします[]:2010/08/19(木) 03:14:42.11 ID:7tHcbNom0

「ずっと…っぅ……!」

ポタリ、ポタリと雫が頁に沁み込んで、インクを滲ませてゆく。
ずずっ、と鼻をすすり上げる。視界がぼやけて、スタンドの明かりが散らばった。

イヤだよ、お姉ちゃんがいなくなっちゃったら、私―――

「うーい。」
「っ…!?」

ぎゅう、と後ろから抱きしめられた。間違えようもない、お姉ちゃんの温もり。
声が出せずにいるところへ、そのまま頭を撫でられる。

「大丈夫だよ~、うい。わたしは憂を置いて勝手にどこかに行ったりしないから。だから、安心して?」
「……ううん、これは私の我侭だから。だから、だから…っ!」
「いいんだよ、憂。わたしね、今まで憂にたくさん元気を貰ったし、勇気づけてもらった。わたしと違って何でもできて、
しっかりしてて、いい子なのも知ってる。でも、それ以上に寂しがりなのも知ってるよ。だって、わたしは憂のお姉ちゃんだから。」
「おねえちゃ…ごめ、なみだ、止まらないよぉ…」
「ありがとう、憂。もう少ししたらわたしはいよいよ一人暮らしを始めるわけだけど、
お休みの日には憂にも会いに行くし、姉妹水入らずのお出かけもしたいな。だから、そんなに泣かなくていいんだよ。
って言っても、無理もないかな。わたしも憂の気持ち、痛いほど分かるもん。立場が逆だったら、って思うとね…だから―――」
「ぐすっ…だから?」
「わたしの胸で泣け!」


39VIPがお送りします[]:2010/08/19(木) 03:15:31.96 ID:7tHcbNom0

ふんす!と胸を叩くお姉ちゃん。それ、ちょっと古いよ?

「…ふふっ、やだお姉ちゃん、それいつの時代の台詞?」
「あっ、ひっどーい!んー…っと、じゃあこれならどうだっ!?」
「?」

いそいそと私のベッドに潜り込むお姉ちゃん。そしてハラリと布団をまくって、ポンポンと自分の隣を叩いています。

「おいで、うい。」
「……うん、喜んでっ!!」



おしまい!


40VIPがお送りします[]:2010/08/19(木) 03:17:21.21 ID:AluiQzB80
おつ!!

41VIPがお送りします[]:2010/08/19(木) 03:18:06.60 ID:OPkGSahuO









はじめに
いつもコメント
ありがとうございます(`・ω・´)

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初音ミク -Project DIVA- f
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俺の妹がこんなに可愛いわけがない(11)
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